ナスは収穫時期が長い作物のひとつです。
栽培がうまくいけば自家製ナスの浅漬けなんかもできるかも知れませんね。
ナスは日当たりの良い露地植えに向く作物ですが、例によってハダニ類がつくことがあります。その対策とは?
ナスの栽培方法
ナスの栽培に必要なものは、ナスの苗、土、追肥のための肥料、支柱、支柱を結ぶ紐などです。
特にナスは水分を多く必要とします。収穫時期が長いので、肥料が切れないように前もって準備します。
植え付けの前準備
土地に苦土石灰を1平方メートルあたり100gほどまきます。
土壌を中和させるためです。苦土石灰は炭酸カルシウムと酸化マグネシウムの混合物です。
100gは、成人の手でかるく一握りくらいが目安のよう
植え付け
植え付けは5月頃に行います。ナスは苗から育てるのが簡便だそうです。
株と株の間は50cm以上開け、穴は大きめに作り前もって液肥を入れます。
苗を植え土をかぶせて安定させます。
トマトやピーマンなど、同じナス科の作物を植えた後の土地は使用しないようにします。
肥料のあげ方
ナスは収穫までの時期が長いので栄養切れに注意します。
植え付け後から20日ごとくらいはこまめに肥料をあげます。追肥の位置はその都度変え様子をみて土を耕して肥料が行き渡るように工夫します。
支柱の立て方
植え付け後に仮支柱を立てます。
仮支柱は育ちはじめの苗を安定させるためのものです。
土から苗に対して斜めに支えるように立てます。つっかえ棒のような感じです。
花が咲いてきたら、その茎を主な枝として育てます。
倒れないように茎を紐で引っ張るようにして、しっかり立つようにします。
一番花のある主枝の二つを側枝として、その下のわき芽は取り
摘芯と整枝
ナスの花は雄蕊と雌蕊は黄色く、花は薄紫です。
花が開く前に側枝の葉を花の上にある葉を残して取ります。
花が果実になったら収穫は早めにします。ナスの収穫は最初の1~3個の収穫を早めにするのがポイントです。
実を収穫したら、側枝の大きくなりそうな芽の上を切り戻します。
また蕾ができたら上の葉を残して摘芯します。このようなサイクルでナスの収穫、育成を行います。
秋ナスの収穫
秋にもナスを収穫する場合は、夏に株を休ませます。
7月終わり頃に、葉を少し残して枝を切り詰めます。思い切って切ります。
その後、肥料をあげて土を軽く耕しておきます。うまくいけば、花をつけ秋頃にナスの収穫ができます。
ナスの花について
つける花の姿でナスの生育具合がわかるようです。ナスの花は、中心に黄色い雌蕊と雄蕊があり、薄紫の薄いつながった花弁の花です。
枝の部分も濃い紫色で丸みのある葉をつけますね。
中央の雌蕊が長く、周囲の雄蕊が短めの花がよく咲いたナスの花です。
一番花の状態を見て、花がしわしわで葉も落ち気味であれば、水不足か肥料不足か、何か要因がある事になります。その要因のひとつは害虫です。
ナスにつくナミハダニ
ナスの生育に良い気温は、22度から30度ほどで温暖な気候を好みます。
日本ではナスの栽培は高知県が多いですね。しかしナスの生育に適した高温は、ナス科につくハダニ類が活動的になる気温でもあります。
ナスにつくハダニ類は、ナミハダニとカンザワハダニです。また、ホコリダニの仲間のチャノホコリダニもつきやすいようです。
ナミハダニの出現時期は3月以降の気温が25度以上になる頃で、夏に増えます。
ナミハダニは卵から成虫になるまで約10日です。成虫の大きさは約0,6mmです。
ハダニは8本脚なのでクモ類などと近い種です。害としては、葉や果実の汁を吸う吸汁です。
緑の葉に白い斑点が見えたら、葉の裏を見てください。
何か小さい赤いものがいたら恐らくハダニ類ですので、ガムテープなどで取り除きます。
薬剤を使用する場合、害虫用のものではだめです。ハダニ類にはダニ専用の薬剤を使いましょう。
ナミハダニの駆除がむずかしい要因のひとつに、赤い個体とそうでないものがいるという事です。
ナミハダニの黄緑色の個体は短日・低温で休眠しますが、赤い個体は休眠しません。
そのため、ナミハダニはナスの生育中は油断ができないハダニ類です。
ハダニ類の天敵は、ヒメテントウ・ヒメカメムシなどですが、ハダニ類が増える夏には活動が鈍る傾向にあります。
ハダニ対策
ハダニ類は風にのってやってきたり、軍手についていたりと何かに紛れてやって来ることが多く、繁殖力が強く一度つくと駆除は困難です。
ナスの生育がまだこれからの状態であれば、被害の広がりを抑えるためにその株を取り去ります。
ハダニ類は水に弱いので、葉の裏にも水やりを徹底する事で少しはましになるでしょう。
大量に発生しやむを得ない場合は薬剤です。
この際使用する薬剤は取り扱いに注意を要するプロ用の農薬ですので、できれば早めにハダニ類の存在に気付いて取り除くのが大切です。
気温が上がってきたら、水やりの時に葉の裏にも水をかけましょう。
ただ、株の根元に泥がついたり、汚くならないように周辺も綺麗に保ちます。
ナスとハダニについて
ハダニ類はつかない野菜はないのではと思われるほど、どこにでも発生し、ほぼ一年中活動する駆除が難しいダニです。
栽培につきまとう害虫の存在は悩ましいものですが、早く発見できれば被害の拡大を防ぐ事ができます。
(ライター:おもち)