世界には様々な種類の毒ヘビがいますが、その毒の強さも千差万別。
そんな中から今回紹介するのは、「ケープコブラ」というかなり強力な毒を持つヘビです。
キングコブラなどの有名どころに比べると、あまり聞いたことがない名前ですね。
ケープコブラは一体どんなところに生息しているのか?
その毒の強さはどのくらいなのか?
そんな疑問にお答えするべく、生態や毒について詳しくまとめてみました。
ケープコブラってどんなヘビ?
ケープコブラは、コブラ科フードコブラ属に属するヘビの一種です。
フードコブラ属というのは、その名の通り肋骨を広げることでフードのように頸部の皮膚を広げることができる種のこと。
一般的に、「コブラ」と聞いてイメージする形態ですね。
ケープコブラはそんなフードコブラ属の中でも標準的な大きさの種類で、全長は約1~1.5m。
(大きい個体では2mを超えることもあります。)
身近なヘビで言えば、アオダイショウくらいのサイズ感ですね。
ケープコブラという名は、南アフリカ共和国のケープタウン周辺に生息していることから名付けられました。
とは言え、もちろんそれ以外にも生息しており、アフリカ南部には広範囲にわたって生息しているそうです。
(ボツワナやナミビアなど。)
てっきり、ケープのような形をしているからケープコブラなのかと思ったら…違いましたね。
体色は地域差があり、ボツワナ周辺では黄色っぽい白色、南アフリカ周辺では黒に近い褐色をした個体が多いようです。
生息地は半砂漠や乾燥したサバンナ地帯など。
食性は肉食で、小型哺乳類、鳥類、両生類、爬虫類などを餌とします。
基本的には地表性ですが、木登りも出来るので、樹上にある鳥の巣を襲うことも多いそうです。
小動物が掘った穴を巣穴として利用しており、活動時間帯は明け方から昼の間。
そんなに攻撃的な性格ではありませんが、身の危険を感じるとフードを広げて体を起こし、威嚇します。
日本で彼らに出会うことはないですが、もし旅行先などで遭遇した場合、このような威嚇行動が見られたらすぐに撤退しましょう。
ケープコブラの毒について
コブラというだけでその毒が強力なのは容易に想像がつきますが、ケープコブラの毒はそんじょそこらの毒ヘビよりもかなり強力です。
コブラの中では最も毒性が強く、さらにかの有名な毒ヘビ、「ブラックマンバ」に匹敵するほどの毒を持っているとも言われるほど。
身体はそこまで大きくないですが、油断してはいけないということですね。
ケープコブラの毒は毒性が強い上に注入量も多いので、万が一噛まれると未治療の場合の死亡率は60%。
毒の種類は神経毒で、噛まれると麻痺やけいれんなどが起こり、最悪の場合は呼吸困難や心不全を起こして死に至るのです。
このようにとても恐ろしいケープコブラの毒ですが、即効性の毒ではないので、速やかに血清などによる適切な治療を行えば死ぬことはほとんどありません。
治療によって回復すれば、後遺症が残るようなこともありません。
しかし即効性ではないかがゆえに、油断して病院へ行くのが遅れてしまうと、命取りになりかねません。
とにかく噛まれたらすぐに病院へ行く、ということが大切です。
ケープコブラについてのまとめ
コブラと言えば最も有名なのは「キングコブラ」ですが、じつはケープコブラの毒はキングコブラの何倍も強力なのです。
(ただし、キングコブラは注入量は多いため、致死率が高いのですが…。)
日本に生息している代表的な毒ヘビであるマムシと比べると、その強さはじつに30倍近く。
それほど身体が大きくないからといって、油断してはいけません。
アフリカ南部を旅行する際には、ケープコブラには十分気を付けてくださいね。
(ライター もんぷち)