幼少期の遠い記憶と共に蘇ってくるダンゴムシ。

おままごとの材料にしたことも数えきれないほどあったような・・・・

子供の頃は考えもしなかったダンゴムシの脱皮ですが、今回はそんなダンゴムシの脱皮について詳しくお話します。

ダンゴムシの特徴

ダンゴムシは節足動物門甲殻網ダンゴムシ目の動物です。

クモやムカデの仲間というよりは、どちらかというとエビやカニに近い生き物。

オカダンゴムシ科、ハマダンゴムシ科、コシビロダンゴムシ科の3つの科に分類され、日本にはこの内海岸線に大型のハマダンゴムシ、森林の土壌ではやや小型のコシビロダンゴムシがいて、オカダンゴムシはヨーロッパ原産の帰化動物であると考えられています。

 

落ち葉を食べ、微生物が分解しやすい状態にして排泄するダンゴムシは生態系の中で分解者の役割を担っています。

しかし、落ち葉以外にも農作物の葉や茎、場合によっては新芽などを食害したり、見た目の不気味さから不快害虫としての側面もあり、駆除用の薬剤も販売されています。

コンクリートや踏み固められた年度質の土など、堅い地面の上に置くと少し息を吹き替えただけで丸まってよく転がるので子供たちのおもちゃ代わりになることもあります。

日本に多いオカダンゴムシ

日本では単にダンゴムシと呼ばれることの多い種類で、落ち葉の下などで見かけることの多いのがオカダンゴムシです。

もともと日本に生息していなかった帰化種で、生命力の強さから急激に全国へ分布しました。

 

明治時代に船の積荷に乗ってやってきたという説が有力で、乾燥に強いために人家周辺で繁殖していったと考えられています。

頭部には2対の触角があり、胸部には7対の歩脚があります。

 

腹部は5節に分かれていて、胸部と腹部の区別は難しいのですが、背面はやや丸く盛り上がっていて、腹面は平らになっています。

オスは暗灰色一食ですが、小さな黄色い紋がまばらに出るものも見られ、メスはオスよりもやや小型で、体色は全体的に淡く、黄色や褐色の班模様をしています。

刺激を受けると腹面を内側にして丸まり、防御姿勢に入ります。

ダンゴムシの産卵

ダンゴムシの産卵時期は5~6月頃、出産は育房と呼ばれる部屋で行い、一度の産卵で50~200個の卵を産みます。

足の付け根に育児嚢という袋を持っていて、出産後はこの袋の中に卵を持ち歩いて、卵が孵化するまで世話をします。

 

孵化してから1週間ほどはこの袋の中で成長し、袋を破って出てきた時には数ミリの透明な乳白色をしています。

歩脚は5対ほどしかありませんが、それ以外の形は成虫と同じです。

ダンゴムシの脱皮

ダンゴムシは脱皮を繰り返して大きくなっていきます。

外側の硬い殻の内側に一回り大きい殻を作り、古い殻は脱ぎ捨てるという行為が脱皮です。

脱皮は下半身から行います。下半身の脱皮から数時間~数日後上半身の殻を脱ぎ、これで1回の脱皮が完了です。

 

脱皮を上半身と下半身の2回に分けて行うのにはいくつか理由があると考えられていて、ひとつは脱皮直後というのは上手く動けない為、危険分散のための外敵対策として。

もう一つはエネルギーの消費が激しい脱皮の負担を分散してするためです。

 

いずれにしてもダンゴムシの脱皮は命をかけた成長過程の1つであるわけで、脱皮途中で失敗してそのまま身動きが取れなくなり、死んでしまう個体も少なくありません。

ダンゴムシは孵化したその日のうちに一回目の脱皮をし、7回ほどの脱皮を繰り返して1年で成虫になります。

脱皮した皮は貴重な栄養源なので、自分のもの他の個体のものも関係なく食べることも多いようです。

ダンゴムシの飼育と脱皮

飼育下ダンゴムシでもケースの中で脱皮します。

ただし、エサのバランスが悪かったり、湿度や温度などの環境が適切でなかったり、脱皮中に共食いにあったりして失敗することもあります。

 

健全な体でなければエネルギーの消費の多い脱皮は途中で失敗に終わることもあります。

バランスの良いエサを与えることが重要。色々な種類の餌を与えるようにしましょう。

共食いが原因の場合はケースの飼育数を減らし、密度を低くすることで解決できます。