桜の便りが聞かれるようになった最近、昆虫たちの動きもちらほら活発になりだしてくる季節でもあります。
そして、あの厄介なカメムシたちもそろそろ活動の準備を始めている頃・・・・。
カメムシの特徴や飛翔性などについてお話していきます。
カメムシの一般的特徴
カメムシの東部は先端がとがった三角形で前胸は左右に張り、翅に覆われた胴体はうしろすぼみになっています。
全体が5角形の底を引き延ばしたような形になり、頭部は三角、細長い触角があります。
複眼は頭部の基部の左右に突き出ていて、前胸は左右に張りだし、肩のように角を持つものが多くいます。
底から後方の胴体は翅に覆われ、前翅は基部側の半ばまでは固く厚くなり、先だけが膜状になります。左右の翅の基部の間は背中が三角に見えていて、この部分は厚くなり小楯板と呼ばれています。
後翅は前翅の下に折り込まれています。
口器はストローのような形で頭の下側に折り込まれていますが、脚は三対、これといった特徴のない歩脚型のものが多く、ヘリカメ類には後脚が太くて刺があるオスもいます。
カメムシの卵は円筒形、上端が丸い蓋になっていて片端に蝶番があるものが多く、孵化の時はこの蓋になっている部分を押し開けるようにして幼虫が出てきます。
幼虫と成虫はほぼ同じ形ですが、模様が異なります。蛹を経過せずに羽化する不完全変態です。
カメムシの習性
カメムシ類は植食性のものが多く、葉や茎、果実などを口に差し込み植物の細胞の中にある原形質などの液を吸収します。
草や木の上に暮らすものが多く、地中で根に付くものや地表に生息し、落下した種子などから吸汁するものもありますし、朽ち木に生息するものでは菌類をエサにするものもいます。
肉食性のものサシガメなどは様々な昆虫をエサにしていて、一部のカメムシは大型の動物から吸血するものもいます。
多くのカメムシは餌の近傍に卵を産み付けてそのまま放置しますが、ツノカメ類などは一部にメスが産卵後も卵を守る行動をするものも知られています。
また、一つの卵塊から孵化した幼虫がある程度成長するまで集団で生活するものも見られます。
他に、ヘリカメムシ類では多数のメスの集団で生活するものも見られ、ハーレムを作る種も知られています。
日本のカメムシの飛翔能力
日本に生息しているカメムシのうち、よく見かけるものにクサギカメムシ、ホソヘリカメムシ、マルカメムシ、アオカメムシ、ナガメ、ハナカメムシ等がいて、どれもが翅があり、飛ぶことができます。
また上記以外のカメムシの中に、特に飛翔能力にすぐれ移動距離が長いものもいて、イネホソミドリカスミカメやホソハリカメムシ等がいます。
イネホソミドリカスミカメ
イネホソミドリカスミカメは北海道、本州、四国、九州、対馬に生息している体長4.5~6.5㎜の黄緑色で細長い体型をしているカメムシ。
6~10月にかけて出現し、イネの害虫としても知られています。
ホソハリカメムシ
ホソハリカメムシは北海道、本州、四国、九州、南西諸島にかけて分布し、体長は9~11㎜、7~9月にかけて出現します。
イネ科植物、火床の汁をエサとしていて胸部左右が鋭く尖るカメムシです。
体色は茶色で地味な色をしていて、腹部は白い縁取りがあります。
クサギカメムシ
クサギカメムシは典型的なカメムシの形をした体長13~18㎜程のカメムシです。
日本では北海道から球種まで広く分布、沖縄島、石垣、西表でも記録されていて、腹背にはやや扁平です。
刺激を受けると悪臭を放ち、その匂いは強烈で、最も秋季の強い種の1つと言われるほどです。
集団で越冬することが知られていて、その時は皆、飛翔することによって移動します。
(ライター ナオ)