ジュゴンと共に、「人魚」のモデルになったとも言われている「マナティ」。

イルカやクジラのようでもあり、アシカやアザラシのようでもある不思議な生き物。

 

そんな彼らは、一体どんな生態をしているのでしょうか。

ここではマナティの生態について詳しく見ていきたいと思います。

そして、国内で飼育している水族館も紹介するので、興味が湧いた人はぜひ足を運んでみましょう!

マナティってどんな動物?

マナティはジュゴン目に分類される動物で、大西洋に繋がる河川に生息しています。

体長は2.5mから最大で4m近くあり、体重は350~1500kg。

生息地によって3種に分かれており、それぞれ体格にも差があります。

一番大きいのはアメリカマナティ。

丸々と太った体にはたくさんの脂肪が蓄えられており、これによって水温の変化などに対応することができます。

 

しかし、脂肪が多いと浮いてしまって潜りにくいのでは?と思いますよね。

それにはもう一つ理由があり、マナティは骨の比重が重いため、潜水がしやすくなっているのです。

食性は草食で、主に海草や水生植物を餌としています。

 

かなりの大食漢で、一日に自分の体重の1割ほども食べるそう。

成体だと少なく見積もっても30㎏以上ということですね…。

海草だけでの飼育は難しいので、水族館で飼育する場合はレタスなどの野菜も餌として与えています。

なお、似た動物である「ジュゴン」は、「アマモ」という海藻しか食べないため、それの輸送費などを含め年間2000万円近く食費がかかるそうで、「世界一食費のかかる生き物」だとも言われているそう。

 

それと比べると、マナティは少し経済的。

見た目ではアザラシなどに近い生き物のように思えるマナティですが、じつは一番近いのは「ゾウ」。

 

ゾウの祖先とマナティの祖先は同じなんです。

確かに、皮膚の感じなんかはゾウにソックリ!

 

しかもかつての名残として、胸鰭にはゾウのような爪があります。

食性も草食ですし、魚を食べるアザラシやイルカなんかとはやっぱり違う生き物なんだな、というのも納得。

マナティが見られる水族館はココ!

マナティは日本近海には生息していないので、なかなか野生の個体を生で見る機会はありません。

しかし!水族館ならば、間近でマナティを見ることも可能です。

 

ただまだまだ謎の多い生き物なので、飼育している水族館も限られているのが現状。

ここでは国内でマナティが見られる水族館を、いくつかご紹介します。

美ら海水族館

沖縄の美ら海水族館では、別館の「マナティ館」でアメリカマナティを飼育しています。

そのうちメスの「ユマ」は、美ら海水族館生まれの個体。

 

ここでは、水中・水上の両方から観察することが可能で、しかも入館料は無料!

タイミングが合えば、食事風景も見られるそうです。

鳥羽水族館

三重県鳥羽市にある鳥羽水族館では、アフリカマナティの「かなた」と「みらい」の2頭が飼育されています。

 

ジャングルの環境を再現した水槽で他の魚たちと飼育されており、より自然に近い姿を見ることができます。

鳥羽水族館では国内で唯一「ジュゴン」も飼育しているので、その目で両者の違いを見比べてみるチャンス!

熱川バナナワニ園

静岡県にある熱川バナナワニ園では、国内で唯一のアマゾンマナティを飼育しています。

すでに年齢が50歳を超えるというオスの「じゅんと」。

先着順でエサやり体験ができたり、毎週金曜日にはアカスリをする光景なども見られるそうです。

新屋島水族館

香川県高松市になる新屋島水族館では、2頭のアメリカマナティ「ベルグ」と「ニール」が飼育されています。

小規模な水族館ですが、イルカやアシカなど他の海獣類も充実。

比較的入館料が安いのでおすすめです。

マナティについてのまとめ

日本でもまだまだ見られる水族館が限られているマナティ。

飼育の難しさやコストなどが課題となっているようです。

一生の内でもマナティを見られる機会はそう多くありませんので、ぜひ一度水族館へ足を運んでみてはどうでしょうか。

(ライター もんぷち)