水族館にはガラスのような透明の板で作られた水槽の中にシャチなどの大きな海の生物がいますね。

水槽がアーチ状に湾曲している事も昨今では珍しくはありません。

 

この水槽には従来の強化ガラスより耐久性に優れ、透明度の高い特別なアクリルが使われています。

アクリルは強化ガラスより加工がしやすく、大型の水槽が作られ、よって体の大きな生物の飼育展示が可能になっています。

水族館の大型生物といえばシャチ。日本でシャチを見られる水族館を以下にまとめました。

シャチの特徴

シャチの大きな特徴は体が大きい事です。海獣の名が相応しく、水槽越しであってもその体の大きさと重みは非現実的ですらあります。

クジラ目マイルカ科シャチ属のシャチは成体になるとオスの体長6m、体重は3t~5t、メスは5mほど、体重は1t~3tほどになります。

シャチは極付近の冷たい海を好みますが、餌を求めてかなり遠くまで泳ぐこともあります。

シャチはアザラシなどの海獣類を好んで捕食しますが、時には魚なども食べます。

 

水族館でシャチに与えられる餌は主に魚類です。シャチはクジラの仲間でもあります。

哺乳類でもあり、メスの妊娠期間は約15ヶ月と長く、出産されるシャチの赤ちゃんは多くの場合、小さいシャチの姿で尾から出てきます。

日本の水族館にいるシャチ

日本には現在(2018年)、7頭のシャチが飼育されています。

シャチを飼育するには生態を知る事も必要ですが、まずは大きな水槽が必要です。そして大量の海水、多量の餌です。シャチは赤ちゃんでも一日に20kgもの餌を必要とするようです。そのため大きい施設で飼育される事になります。

シャチが見られる水族館

現在(2018年)、日本国内でシャチを見る事ができる水族館は鴨川シーワールド(千葉県鴨川市1464-18)と名古屋港水族館(愛知県名古屋市港区港町1-3)の2ヶ所です。

鴨川シーワールドは開館当時からシャチの飼育に力を入れていたようで、1970年からシャチのパフォーマンスを始めています。

鴨川シーワールドがシャチの繁殖に成功したのは1995年とされ、生まれたのはメスのラビーです。

日本国内のシャチの関係性はややこしいです。というのも、人工繁殖を行う為一定期間貸与されたり引っ越したりするからです。

鴨川シーワールドのシャチは4頭

ラビー(1998年生まれ)、ラン(2001年生まれ)、ララ(2006年生まれ)、ラビーの娘のルーナ(2012年生まれ)というメスのシャチ4頭が飼育されています。

ルーナの兄にあたるのが、名古屋港水族館にいるアースです。今のところ特にメスのランが元気いっぱいの姿を見せてくれるようです。

飼育下でのシャチの寿命は長くて50年ともされます。

名古屋港水族館について

名古屋港水族館は比較的新しい水族館です。北館の2Fにある大きなプールにシャチがいます。

人が見られるようになっているプールの奥にもプールがあり、シャチは比較的自由に泳ぎ回る事ができるように工夫されています。

 

3Fにある野外の遊歩道から奥にあるプールは見える構造になっており、この遊歩道の岩の作りは、シャチが棲息する海域の柱状節理(ちゅうじょうせつり)といわれる地形を模したものになっています。

柱状節理は火山のある場所にできる、柱のような岩が壁のように並んでいる地形の事で日本にもあります。

名古屋水族館のシャチ

名古屋港水族館のシャチは3頭です。

2017年に鴨川シーワールドからやってきたオスのアース、メスのステラ、2012年生まれのメスのリンです。

 

リンは名古屋水族館では初のシャチの繁殖例です。

ステラはラビー、ララ、リンの母にあたります。今のところ日本国内のシャチのオスはアース1頭のみです。

水族館にいるシャチについて

水族館で見られるシャチの個体は繁殖個体であり、健気にパフォーマンスを見せてくれます。

国内の水族館で見られるシャチは、鴨川シーワールドのシャチ4頭、名古屋港水族館のオス1頭含む3頭の7頭です。

(ライター:おもち)