皆さんはアンボイナと言う生き物をご存知でしょうか?
コブラの37倍、世界最強と言われている毒蛇の2倍の猛毒を持つと言われています。
日本近海にも生息していて、国内だけで30人以上の死者数が出ています。
日本で発生しているイモガイによる死者のうち9割以上がアンボイナの猛毒で命を落としている事が分かっています。
こんなに恐ろしい毒貝が日本の海に生息していると思うと恐いですね…。
今回はそんなアンボイナの生態や特徴、そしてアンボイナの毒について書いていきたいと思います。
アンボイナってどんな貝?
アンボイナは学名『Conus geographus』は、新複足目イモガイ科に分類される巻貝の一種です。
生息地はインド太平洋の熱帯域に広く分布していて、日本では紀伊半島以南に分布しています。
沖縄の海では良く見かける巻貝で、沖縄では『ハマナカー』と呼ばれていて『浜の半ば』で死んでしまうという意味があるようです。
アンボイナと言う名前の由来は、インドネシアのアンボンという都市の近海で多産されている事から来ているようです。
アンボイナを含めイモガイ類は貝殻が美しく高値で取引される事もあるんだとか。
貝殻の模様は個体や種類によって様々ですが、まだら模様であったり三角形の白斑点のような模様があったり幾何学模様だったりと特徴的な模様をしています。
見た目が美しいゆえについ触ってしまいそうになりますが、イモガイ類は毒を持っているので絶対に触らないように気を付けて下さいね!
アンボイナの生態と特徴
浅瀬のサンゴ礁に多く生息していて、日中は岩の下などの物陰に隠れている事が多く、夜になると活発に動き始める夜行性です。
夜間に活動を始めて、餌となる小魚などに接近し吻を長く伸ばして歯舌で刺し毒を注入して、獲物が毒で麻痺したところを狙って捕食します。
最強の猛毒を持っているので無敵に見えますが、そんなアンボイナにも天敵がいて、タガヤサンミナシガイなどの貝食性イモガイ・ガザミやヤマトカラッパやカニやイセエビなどの甲殻類などには敵わないようです。
体長は殻高10㎝前後で大型個体となると殻高13㎝を超え、イモガイ類の中で一番大きいと言われています。
殻口は幅広く、螺塔は低いが肩は角張っていて、ごく低い角状の突起が並んでいます。
貝殻の色は褐色や赤褐色で白い三角形の鱗雲のような斑点が多数散らばっているのが特徴です。
歯舌は長さ1㎝・太さ0.3㎝程で、魚の小骨のような形状だが長い毒管を通じて毒嚢につながっています。
歯舌は口内の歯舌嚢に収納されていますが、餌を捕食する時だけ吻から突き出して刺したものに毒を注入します。
アンボイナの毒の成分と症状
アンボイナの毒の主成分はコノトキシンと言う神経毒です。
コノトキシンと言われる毒は、感覚の神経伝達物質を阻害し細胞間の信号のやり取りをする部分が塞がれ細胞組織の動きが取れなくなります。
刺された直後は痛みはあまり無いですが、やがて神経が麻痺し応急処置をしないで放っておくと20分程で喉の渇きを感じ始め、めまい・歩行困難・血圧低下・呼吸困難などの症状が現れ始めます。
最悪の場合、数時間で命を落とします。
症状のピークは刺されて5時間~6時間で、12時間以降は生命の危機を脱し後遺症が残る事もまず無いと言われています。
その場ですぐに出来る応急処置は、刺された部分から毒を吸い出し、受傷部より心臓に近い部分を縛り毒の回りを抑える事です。
そして直ぐに病院で処置を受ける事が大切です。
アンボイナについてのまとめ
今回はアンボイナについて紹介しましたが如何でしたでしょうか?
刺される状況としては、潮干狩りや潜水の時が多いようなので、アンボイナの特長をよく理解し絶対に触れないようにしましょう。
ライターMISAKI