一年中売られている気がするアボカドの旬の季節はいつでしょう?
アボカドの特徴など
日本のスーパーなどでアボカドを買った事がある人は、アボカドの輸入先がほぼメキシコ、あるいはアメリカのカルフォルニア州である事をご存知だと思います。
アボカドは熱帯や亜熱帯に分布するクスノキ科ワニナシ属の常緑高木樹になる果実です。
夏に白い花をつけ、秋には果実が実り収穫されます。
それから日本に輸入されます。
アボカドは森のバターともいわれるほど脂肪が多く不飽和脂肪酸を多く含み、ビタミンEや食物繊維、カリウムなども含む事から美容や健康に良い果実として知られます。
最近ではアボカドオイルも人気です。
皮がデコボコしているのも特徴です。「鰐梨」などと書かれる事もあります。
アボカドが日本に入ってきたのは100年ほど前の事で、英名avocadoの別の呼び方alligato pearがそのまま翻訳されたものと考えられています。
アボカドの栄養と質
日本でアボカドをよく見かけるのは、10月から1,2月である事も多いですが、含まれるオイルの質が良いのは、メキシコ産のアボカドの場合5月~7月にかけてです。
出回る時期によってアボカドの質は変わります。
アボカドに含まれる体に良いとされるオイルの含有量は、20%~35%くらいと、意外にも開きがあります。
アボカドに含まれる不飽和脂肪酸による血液サラサラ健康効果を期待するなら、5月以降のアボカドがより良いかも知れません。
アボカドの生産について
アボカドの生産がメキシコで積極的にされるようになったのは、1950年代から70年代の事だそうです。
日本で一番多く輸入され食べられているアボカドは、「ハス・アボカド」と言われる品種のアボカドです。
メキシコでは1963年に本格的にアボカド栽培が始まり、ハス・アボカドの木はそこまで高木でなく、育てやすく、果実が輸送に強い事などからよく栽培されるようになりました。
メキシコは州制度の国家です。
主なアボカドの生産地は、メキシコ西部にあるミチョアカン州です。
この地で育つアボカドの樹は、年に4度ほど自然に花をつけ、収穫が期待できるそうです。
温暖な気候と火山が多い土壌がその理由だとされます。日本でアボカドの生産がされているのは愛媛県などです。
アボカドはマイナス5度以下になると弱ってしまいます。生育によい温度は15度から33度です。
アボカドの種を植え、芽を出させる事は可能ですが、アボカドの結実は日本でなくても難しいのではと思われる点があります。
アボカドの雄花と雌花の性質
ハス・アボカド含め、ひとつの樹での結実も可能なアボカドですが、雌雄異熟花といって、ひとつの花が時間により雌花になったり雄花になってしまう性質があるのです。
この雌雄異熟花はふたつのタイプに大別されますが、アボカドの場合は一般に朝は雌花なら午後は雄花かその反対であるようです。
しかし、間に花が閉じている時間もあるのでよりややこしくなります。
一日の気温が21度ほどを保っていると、そのアボカドの樹の雄花と雌花のサイクルはコントロールされるようですが受粉させるのは大変です。
アボカドは一つの樹に雄花を雌花がつく両性花なので、この性質はますます不思議なのです。
アボカドの雌花は、すっきりと蕊が立っていますが、雄の時間帯は蕊の周囲の雄蕊も丸見えです。
花の色合いは白っぽく、薄くグリーンがかっています。
アボカドの食べ頃
アボカドは果実が樹になっている状態だと熟しません。
収穫してから徐々に熟していく果実です。そのためなのか、売り場にあるアボカドを見極めるのは難しいのですが、アボカドの食べ頃は皮が黒っぽくなった頃です。
未熟なアボカドの皮はグリーンです。追熟に適した気温は20度くらいだそうで、隣にバナナやリンゴがあると、エチレンが作用し追熟が早く進むのだそうです。
5度以下になるとアボカドは熟しませんので、冷蔵庫には入れないで下さい。
アボカドの切り方
アボカドの果実に対して縦にナイフを入れ、真ん中の種に刃先が当たったらくるりとアボカドを回し、パコっと縦に二つに割ります。
種はナイフの尖った部位を突き刺し、そのまま取ります。
アボカドを切る時は、まな板の上より手にもって切った方が楽です。
完熟であれば種はするりととれるはずです。皮も少しナイフを滑らせれば取れます。
追熟が進みうまく果肉が取り出せなかった時には、和え物などにしてしまえば良いでしょう。
アボカドの簡単な料理など
アボカドの豆腐和え
アボカドと豆腐を和えます。豆腐は絹を水切りしたもの、アボカドと豆腐の分量はお好みで加減します。
味付けは塩と胡麻油です。アボカドの色合いを残すため、レモン汁も少々。
アボカドを焼く
種を除くとできる穴に溶けるチーズを入れて、オーブントースターで焼きます。
好みで胡椒をかけると味が締まります。
他、スライスするか、潰したアボカドの果実を食パンに乗せてトーストするなど。
また、他の野菜と一緒に天板や深めのフライパンに入れて焼いても良いです。
味は好みで醤油ベースのたれなどを用意します。
アボカドのスープ
アボカドの果実を潰して、豆乳やミルクなどで適当に伸ばします。
塩少々を加えます。また、ポテトサラダの様に普通にマヨネーズ少々で和えても良いです。
非常にお好みですが、味噌汁の具にしても意外に良いです。
生食のバリエーション
スライスしてお醤油とワサビを添えます。アボカドはワサビとよく合いますので、マグロの漬けと合わせても良いです。
また、やや早いアボカドは素揚げにしても良いです。
夏にはミキサーにかけてミルクで割っても良いです。更にバナナを入れると濃厚な味になります。
また、トマトとの相性が良いようなので、小さめの角切りにしてチョップドサラダにしても良いですね。
完熟したアボカドをすぐに調理しない場合、果肉を取り出して冷凍保存もできます。早めに使い切りましょう。
アボカドの季節
アボカドは通年見られますが、最も果肉の質が良いのは、5月以降にメキシコから輸入されたもののようです。
「アボカド」という果実名はアステカの言語であるナワトル語に由来し、睾丸という意味もあるとされますが、睾丸というのは後から追加された隠語のようなものである可能性が高いようです。
アボカドは13世紀頃からアステカの人々たちによって長期間栽培されていたようです。
17世紀には中南米各地にアボカドの樹があったそうで、それをスペイン人が持ち帰り北半球にも知られる果物になりました。
アボカドの種は果実に対して随分大きいですが、この種は発芽に必要なエネルギーを長期間保存できるといわれています。
(ライター:おもち)