皆さんは、せせり虫という虫をご存知でしょうか?

きっとよく知っている虫だと思います。

今回は、「せせり虫」についてご紹介いたします。

せせり虫って?

せせり虫は、ブヨのことです。せせり虫は、ハエ目カ亜目ブユ科の昆虫で蚊の仲間なのです。

ブヨは、関東で呼ばれる名称で、本名はブユと呼びます。関西ではブトと呼ばれるそうです。

積雪時には居なくなりますが、基本的には一年中活動しており、主に春から夏(3月~9月)が元気に活動する時期になります。

せせり虫の生態

イエバエの4分の1ほどの大きさで、黒っぽい見た目をしています。

一般的に見られるせせり虫は、アシマダラブユで全国各地に生息しています。その他、北海道・九州には、キアシオオブユが生息しています。

 

ブユは、交尾をすると蚊と同様に水中などに卵塊を産み付け、孵化すると渓流にある岩の表面・水草に吸着しそのまま水中で蛹になって約1週間で羽化します。

幼虫は綺麗な環境でしか育たない為、水質の指標昆虫とされています。

水質汚染に弱いので、住宅地などではほとんど姿を現しません。

せせり虫からの被害

蚊同様にメスのみ吸血をします。蚊より厄介なのは、吸血だけではなく皮膚にキズをつけ(噛みつく)吸血されるので痛みが伴います。

流血・水ぶくれなどがあったらブヨに刺されたと思って間違いありません。ブヨは、吸血の際に毒素を注入するので、吸血直後よりも翌日以降に痒みが生じます。

 

患部が蚊に吸血されたよりも2~3倍ほどに赤く膨れ上がります。そして、激しい痒み・疼痛・発熱などの症状が1~2週間程現れることがあるそうです。

これらの症状を『ブユ刺咬症』や『ブユ刺症』と呼ばれます。個人差がありますが、刺された部位によっては腫れがひどくなり1ヶ月以上もひかないことがあったり、慢性的な痒みの状態になると言われます。

 

血を多く吸血されると、リンパ管炎やリンパ節炎を併発することもあったり、呼吸困難などで重篤状態に陥ったりすることもあるそうです。

せせり虫に刺されない為の予防

蚊などの虫よけスプレーはブヨに対しては効果はあまりないので、ブヨ専用の防虫スプレーにしましょう。

ハッカ油の水溶液を皮膚に塗布しても大丈夫です。

また、夏場は暑いですが長袖長ズボンにして素肌の露出を避けることが大事です。

せせり虫に刺されたら

せせり虫に吸血された場合は、傷口から毒を抜きステロイド外用薬を塗りましょう。

掻かないように気を付けてください。傷口に触らないようにすることも大事です。

 

刺された直後に、毒抜きを行うと、毒の浸透を抑えることができるので痒みなどの諸症状を緩和することができます。

毒抜き専用のポイズンリムーバーというものを使いましょう。

 

口で吸いだすと、直接、口から体内に入ってしまうので絶対に口で毒抜きをするのはやめましょう。

毒抜きをせずとも、すぐに痒み止め(ステロイド外用薬)を塗るのも効果的です。

 

長時間・長期間、痒みが続く場合は医療機関の受診をおすすめします。

蚊と勘違いして、放置しておくと大変なことになった例もありますので、油断せずまず刺されたら消毒等をするように心がけましょう。

せせり虫のあれこれ

せせり虫の天敵は、トンボです。

夏場は気温の低い朝夕に発生、暑い日中には活動はしません。

 

ただし、曇りや雨など湿気が高い・日射や気温が低い時は発生しやすくなるので注意しましょう。

黒や紺などの暗い色の服を着ている時に寄りやすく、黄色やオレンジなどの明るい色の服の時は近寄らないそうです。

まとめ

いかがでしょうか。

せせり虫ってブヨのことだったんですね。刺されると厄介なブヨ、これで対策を立てて刺されないような工夫をしましょう!

(ライター:Teyo)