不快害虫としても、野菜の害虫としても厄介なカメムシたち。
美味しいトマトが食べたくてうえたトマトの苗にびっしりとついて、茎から汁を吸っている姿は憎たらしいものです。
そんなトマトにつくカメムシについてまとめてみました。
トマトに付くカメムシの種類
カメムシには実に多くの種類が存在しています。
種類によって好みの植物は違っていて、トマトに付くカメムシはホオズキカメムシ、アオクサカメムシ、クサギカメムシ、チャバネアオカメムシなどのナス科の植物を好むカメムシたちです。
ホオズキカメムシの特徴
ホオズキカメムシは褐色で形は厳つい姿をしています。体長は11~12㎜で、体表に短い剛毛を密生しています。
頭部は小さく触角は長いと4節ほどあります。
日本では本州、四国、九州と琉球列島に見られます。
メスの成虫は植物の上で集団を作り、1頭のオスがそれらを防衛しながら交尾するというハレムを作ります。
メス成虫は産卵をハレムの植物や移動して違う植物に行いますが、産卵が終わると元の株に戻ってきます。
幼虫はなす科の植物の穂か、ヒルガオ科の朝顔やサツマイモなどにも被害を加え、幼虫は葉と茎から、成虫は茎から吸汁します。
また、成虫はタバコにも飛来し、根元の茎から吸汁し再び葉に産卵する場合がありますが、負荷した幼虫は生長することが出来ないので、実害はありません。
アオクサカメムシの特徴
アオクサカメムシは体長が12~16㎜で通常は全体的に光沢のない緑色をしていますが黄帯型や無紋型、緑紋型等黄色っぽい個体もいます。
通常みることの多い雑食性のカメムシで、北海道から屋久島まで生息していて、発生時期は4~11月です。
クサギカメムシの特徴
クサギカメムシは日本全土に分布する普通種で、山野や耕地に出現することが多く、多色性で幅広い植物の害虫として古くから知られてきました。
体長は13~18㎜で、全体の形としては典型的なカメムシ型です。
茎や葉から吸汁するだけでなく、成虫は果実も好んで吸いますが、幼虫が果実に付くことはありません。
刺激を受けると悪臭を放ち、その匂いは強烈です。
チャバネアオカメムシ
チャバネアオカメムシは美しい黄緑色でその名の通り翅の部分が茶色いカメムシです。
雑木林の周辺で多く見られます、体長は10~12㎜で北海道、本州、四国、九州、対馬、南西諸島に分布します。
幼虫はhスギやヒノキの球果に多く、様々な果実の汁や花の蜜をエサとしています。
カメムシの被害
カメムシは葉や齧るのではなく、針状の口を野菜の葉や茎、果実などに刺して養分をすいとるので、初めは見た目の変化があまり感じられず思わず放置しがちになってしまいます。
しかし、放っておくと植物は弱り、実はしっかりと熟さず、植物自体が全滅してしまうことにもなりかねません。
トマトは吸汁された箇所が変色してスポンジ状になってしまいます。
トマトについたカメムシの対策
カメムシは移動性があるので、防除が難しい害虫です。
市販の農薬を使って駆除する場合にはアドマイヤー中和剤、トレボン乳剤、スミチオン乳剤、マラソン乳剤などを利用します。
農薬を使いたくない場合は、見つけた時にはすぐに駆除してしまうのが鉄則です。
カメムシを見つけたら、すぐに中性洗剤などを入れた瓶に落としてしまいましょう。
素手でこの作業を行うとかなり手に臭いがつきますので、手袋をはめるか、割りばしなどを使って瓶に落とすようにします。
また、細目に植物の葉の裏や茎、地面などを見て回ることも重要です。
体育館のような大きな建物内に大量に出没した時にはバルサンなども有効のようです。
皆さん上手にカメムシ対策をして美味しいトマトを収穫してくださいね。
(ライター ナオ)