地中海に浮かぶサルディーニャ島はイタリア自治区であり、特有の言語や文化をもつ美しい島のひとつです。
そんなサルディーニャ島には、世にも珍しいチーズがあるそうですよ。
イタリアのチーズ
チーズは乳製品を発酵させて水分を抜いてつくる加工品です。
チーズの歴史は古く、様々な味や作り方、発酵方法、熟成期間などが存在します。
サルディーニャで作られているチーズにシェーブルチーズがあります。
牛ではなくヤギのミルクから作られるチーズです。イタリア国内でも地理的に欧州に近い地方では、牛乳を使うハードタイプのチーズがよく作られています。
中部は羊のミルクからできるチーズも作られているそうです。
その中でもサルディーニャ島のチーズは、現地に行かないと食べられないものも多数あるようです。
自治州ということからもわかるように、イタリア語とも違う言語体系や習慣をもつ島ですから、ツーリスティックではない旅行が好きな人向けの島かもしれません。
虫入りチーズのベース
虫の入っているチーズは古くからサルディーニャ島で作られているチーズのひとつです。
ベースとなるのは羊のミルクから作られた、ペコリーノ・サルドというチーズです。ペコリーノとは羊のミルクで作ったチーズの事です。
ペコリーノ・サルドはハードタイプの水分が少ないチーズです。ペコリーノ・サルドには(フレスコ)ドルチェとマトゥーロがあります。
フレスコは熟成期間が短く、水分量も多くしあがるので、羊のチーズに慣れていなくとも比較的食べやすいようです。
マトゥーロは野性味あふれる風味で羊飼いが作ったチーズのような味です。
サルディーニャ島は古くから羊やヤギの放牧がさかんであり、チーズやワインといった食べ物も、現地で消費するものだったようです。
サルディーニャ島は観光地化されていないことから、イタリア本土の人々も憧れる土地でもあります。
直行便もあるようですが、できればのんびり本土からフェリーで渡ってみたくなるような土地でもあるようです。
虫入りチーズの製造過程
まずは製造過程において、チーズに産卵させます。孵化した幼虫はチーズ内でチーズを食べて成長します。
チーズは発酵食品ですが、発酵とは酵母などの働きで糖分や脂肪分が分解され、有機物が発生する事です。
虫を入れる事によって脂肪分が分解され、チーズの発酵は加速度的に早まるそうです。
熟成期間はおおよそ3ヶ月ほどといわれ、ハードタイプのチーズであるペコリーノ・サルドとは思えないほど、まろやかに出来上がります。
虫もチーズの中で生きています。この虫入りチーズはサルディーニャの言葉でカース・マルツゥ(casu marzu)といわれ、意味は。
この虫は、チーズバエ(piophilia casei)ともいわれています。昔からいる、人間の食べ物につく虫の一種だそうです。
虫入りチーズの味について
やはり気になるのはその味です。見た目はチーズとは思えないほどクリーミーで固めのクリーム状に見えます。
近寄ってみると、5mmほどの虫が元気に動いているのが見えるでしょう。食感はまろやかで苦みがあるそうです。
体内に入った虫が人間の腸壁にダメージを与える可能性があることから、今では流通が禁止されています。
虫入りチーズとサルディーニャ
サルディーニャ島ではイタリア語を話す人も多いそうですが、サルディーニャ語はラテン系言語から派生したロマンス語を起源にもつといわれます。
スペインの影響も色濃いためか、スペインの一部で話されるカタルーニャ語ととてもよく似ています。
地図をみると北アフリカにも近く、本土のイタリアや欧州地方とはおおきく異なる地方でもあるようです。
虫入りチーズというとぎょっとしますが、しかも生きているというとびっくりします。
(ライター:おもち)