日本古来の文化である畳。

新しい畳のイグサの香りは心落ち着くものです。

しかし、そんな畳を好むのは人間だけではないようです。

畳が好きな虫についてまとめてみました。

紙魚

紙魚はシミ目に分類される昆虫。

日本にはシミ科に分類される日本在来の室内種であるヤマトシミと移入種であるセイヨウシミが生息している他、マダラシミという種類がエサとして飼育されています。

 

シミ目に分類される昆虫は最も原始的な特徴を持っていて、昆虫類の中の無翅類はシミ目を含むごくわずかです。

また、昆虫の中では珍しく無変態で、卵殻孵化した幼虫はほとんど成虫と同じ形をしていて、脱皮によって変化するのは大きさだけ。

 

しかも、成虫になってからも絶えず成長し続けるので、一生脱皮し続ける習性があります。

体はやや扁平で、細長い涙滴形をしていて、頭には長い触覚が伸びています。

 

胸部から腹部にかけては滑らかにつながり、腹部には各大切に一対の腹毛があります。

動きが速く、くねるように走る姿が魚のようなところから、紙魚の字をあてられたと考えられており、寿命は7~8年と、昆虫の中ではかなりの長さを誇ります。

 

室内で紙や乾物を食べるのがとても有名で、野外でも樹皮下などに生息するものや、アリの巣に入るものもいます。

シミを見つけたらハエたたきなどでたたく事、ティッシュでつかんで捨てる事、掃除機で吸い取る事等です。

チャタテムシ

チャタテムシは羽の付いた体長2㎜ほどの小さい虫です。

好物はカビやほこりですが、雑食性なので、人の食べかすなどもしっかりと栄養にしてしまいます。

 

日本の梅雨の時期、湿度が60~70%ほどの空間は彼らにとって、とても居心地がよく、住みやすい環境なので、これからの時期に発生しやすく、しばらく掃除していない本棚、カスが散らかったままの乾燥食品の保存容器やパントリー、しばらく風に当てずに手入れしていない皮革製品、畳の下などが要注意。

 

チャタテムシを見つけてしまった場合は粘着テープなどで一匹一匹丁寧に取り除くのがよいでしょう。

取り除いた後はその場所をアルコールやエタノールなどで綺麗に拭いておきましょう。そうすることで次のチャタテムシの産卵や発生を防止することができますよ。

シバンムシ

シバンムシは特に畳で多く確認されている昆虫です。

体長は3㎜程度で茶褐色ですが、特に実害はありません。

 

世界で2000種ほどが生息することが知られ、日本でも62種類が記録されています。

畳に発生しやすい種類としてはタバコシバンムシとクシヒゲシバンムシの2種類で、クシヒゲシバンムシは畳表と麻糸だけを食害する特徴があります。

 

幼虫の時にシバンムシアリガタバチが寄生することが知られていて、そのハチが人間を刺して害を与えます。

活動期間は春から秋にかけてで、年に4~5回程発生し、オスは数日の寿命ですが、メスは数か月生存して100個余り産卵します。

 

15℃以下では発育を停止することも知られています。

シバンムシは市販のスプレータイプの殺虫剤で駆除することができます。

畳に発生している場合は畳乾燥による加熱処理が妥当です。自宅ではできないので、畳屋さんに依頼することをお勧めします。

ダニ

畳についている虫で最も一般的で多いのがダニ。

畳に出るダニとしてはコナダニとツメダニという2種類が最も多く、これらの死骸はアレルゲンとなってアレルギー反応を引き起こす場合があります。

 

コナダニは人を攻撃しませんがコナダニを捕食しているツメダニは人刺し、刺された後はとてもかゆくなります。

特に8~9月の被害が多く、コンクリート造りや気密性の高い家屋などで多く見られます。

 

ツメダニの駆除は見つけたらとりあえず畳を天日干ししてみましょう。

また畳をおこして立てかけ、煙式駆除剤を使用する方法も有効です。

(ライター ナオ)