ゴキブリは生きている化石ともいわれ、約3億年前にはすでに存在していたといわれる最古の有翅昆虫です。時速170km、瞬間的は時速300kmともいわれる速さで逃げ回り、ものすごい繁殖力をもち、さらに水を飲むだけで90日も生きられるという人間にとっての強敵のひとつといえる昆虫ですが、さてゴキブリは水中では生きられるのでしょうか。ゴキブリの弱点を探ってみます。
ゴキブリの呼吸
ゴキブリは体に開いた気門という穴から空気を取り入れて体内を流れている血液に酸素を直接溶け込ませて呼吸をしています。
またゴキブリは体と羽のすきまに空気を蓄えておくことができ、その空気を使って呼吸をすることができるのです。
ゴキブリは水中では生存できない!
ゴキブリは体に開いている気門で呼吸をしており、その気門が水で塞がれてしまえば呼吸はできないので、したがって水中では生存できません。
ただし、ゴキブリの別名は「油虫」というぐらいですから、ゴキブリの体の外側は油で覆われています。
なのでゴキブリを水中に入れると体表の油が水をはじき、羽の下に蓄えておいた空気を使ってしばらくは呼吸ができ生きながらえることはできます。
ただし油がなくなり蓄えておいた空気がなくなれば呼吸ができなくなり、当然生存を続けることは不可能です。
ゴキブリは泳げるか?
ゴキブリは飛んだり、ものすごい時速で走り回ったりすることはできますが、泳ぐことはできるでしょうか。
羽など体の構造からしてみれば、泳ぐことは不可能でしょう。
ただ体が油で覆われているため水に落とされても沈みにくく、泳ぐというよりは、足をばたばた動かしているうちに結果的に移動するということにはなります。
水中に沈めても油や羽の下の空気などによって沈み込むことはまれですが、そのようなときもばたばたしているうちに浮かび上がって逃げるということはあるようです。
ゴキブリは排水口から侵入できるか?
ゴキブリをキッチンや風呂場やトイレなどの水回りで見かけてしまったという方もいると思います。
そのようなゴキブリはどこから侵入するのでしょうか。排水口から侵入してきたのではないかと疑ってしまいますが、排水口から侵入してくるのは稀です。
現在の排水口は、臭いや害虫を防ぐための排水ストラップ構造になっていて水が溜まっています。
いくらゴキブリとはいえそのしくみをかいくぐって侵入してくることは考えられないからです。
ゴキブリの弱点
ゴキブリは前述したように体を油で覆われているため、油に洗剤をかけておとせば気門が塞がれ呼吸ができなくなって死んでしまいます。
洗剤はキッチン用でも洗濯用でもOKです。また、熱湯にも耐えることはできません。
そのため、洗剤やお湯が流れる排水口を行き来することはゴキブリといえども不可能だといえるのです。
ゴキブリの侵入方法
ではゴキブリはどこから侵入してくるのでしょうか。
ゴキブリは2mmの隙間があれば侵入できるといわれます。
- 玄関、窓、ドアなどの開口部:閉めていてもガラス戸や網戸の隙間が2mmあれば、ゴキブリは侵入します。
- 換気扇や換気口:防虫網、防虫フィルターなどの破れから入り込むことがあります。
- エアコンのホースや通し穴:エアコンを使っていないときにホースを通ったり、ホースの通し穴に隙間があったりすると侵入します。
- 水回り:排水口には排水トラップに水が溜まっていれば侵入できませんが、水が減っていたり排水管と壁に隙間があったりすると侵入します。
- コートなど:ゴキブリがいる飲食店などでコートを脱いでかけておいたものを家にもちかえったら、コートにゴキブリ潜んでいたということがあるそうです。
ゴキブリを駆除するには?
ゴキブリに出会わなくてもすむようにするには、まず、家のなかにいるゴキブリとその卵を排除することです。
そしてその次は外部からの侵入を防ぐことです。
家のなかのゴキブリの駆除
殺虫スプレーを使ったり、ホウ酸団子などの毒えさトラップを使ったりするのが一般的です。
殺虫剤がないときはキッチン用や掃除用の液体洗剤を吹きかけることも有効です。
ゴキブリの体表の油を溶かして気門を塞ぐので死んでしまいます。
それから何といっても家のなかにゴキブリのエサをなくすためとゴキブリの卵を除去するため、家の隅々まで徹底的に掃除をすることです。
外からの侵入を防ぐ
家中をよく点検して、たとえ2mmでも隙間があったら塞ぎましょう。
まとめ
恐るべき生命力をもつゴキブリですが、さすがに水中で生息することはできないようです。
ゴキブリは排水口から上がってくることはまずありません。
ゴキブリと出会わないようにするためには、まず家のなかの掃除です。
でもこれが一番むずかしい方法ですよね。
(ライター sensyu-k)