暑く寝苦しい夜、トイレをすませた帰りに水を飲もうとして立ち寄った台所に床に数匹の黒い影、ゴキブリと遭遇した初めての瞬間でした。

あのときの恐怖感は忘れることができません。

 

筆者だけではなく極度にゴキブリを嫌っている人は多いですよね。

それはゴキブリに毒性があるからなのでしょうか。

ゴキブリには毒があるのか、ゴキブリはなぜ嫌われ者なのかを探っていきます。

ゴキブリには毒はない

結論からいうと、ゴキブリやその幼虫などに毒はありません。

ゴキブリは汚れたキッチンのすみや家具の後ろでごそごそ動き回っているので、不潔、汚いというイメージがあり、さらにつやつやした体、それだけで生理的に受け付けないという人が多いようです。

けれども他の昆虫と比べても同レベルの雑菌しかいなかったという報告があり、日本では病原体を媒介することもほとんどありません。

ゴキブリは不快害虫

ただやはり、ゴキブリは不快害虫に挙げられます。不快害虫には、不快害虫、衛生害虫、経済害虫の3種類あります。

  • 不快害虫:見た目が気持ち悪いなど、実害ではなく心理的な害をもたらす害虫。
  • 衛生害虫:人間を攻撃する害虫。菌・ウィルスなど病原体を媒介し衛生環境を悪化させる害虫。
  • 経済害虫:農作物、食品、家畜、家財など、品物に経済的な損失を与える原因になる害虫。

ゴキブリはどれに分類されるでしょうか。不快害虫であることは間違いありません。

衛生害虫や経済害虫の側面はあまりありませんが、汚れた場所を歩き回ることなどで不衛生物を撒き散らしたり、食べ物に紛れ込んで食べられなくしたりということもあります。

ゴキブリは3つすべてに当てはまるともいえるのではないでしょうか。

ゴキブリはなぜ「怖い」のか?

ゴキブリに先入観をもっていない人、ゴキブリを見たことのない北海道などの寒い地方の人でも、初めてゴキブリを見たときは恐怖心を感じるそうです。

 

その理由はなんでしょうか。

  • こどものころから親にゴキブリは汚い、触るなと教え込まれたから。
  • すごいスピードで走ったり突然飛んだり壁を伝ったり、同じ黒い昆虫のカブトムシやクワガタムシとは違い、予測不能な機敏な動きをするから。
  • 得体が知れない異質な動きや不気味な黒いボディが、受け入れられない気持ち悪さを感じさせるので、一種の差別のような幼稚な感覚から。
  • 女性の場合は女性らしくありたいがために「虫は嫌い」という心理状態をつくる、無意識の女性ジェンダーの維持のため。
  • 気持ち悪い、怖いと感じさせて、ゴキブリをエサとする動物から身を守るため。
  • 太古、人間の祖先がゴキブリに襲われていたという遠い記憶から。

などなど、いろいろな説が飛び交っていますが、みなさんはどう思われるでしょうか。

耐性ゴキブリとは

とにかくゴキブリを目の敵にして、出てきた場合はすぐさま追いかけ回し殺虫剤を吹きかけるという方が多いと思いますが、近年、耐性ゴキブリと呼ばれるゴキブリが出現しているようです。

殺虫剤が効きにくい、毒エサを設置しても食べないというなかなか駆除できないスーパーゴキブリです。

 

家庭や飲食店でよく見られるゴキブリには、クロゴキブリとチャバネゴキブリがいますが、より繁殖力の強いチャバネゴキブリに耐性の強いものがいます。

経済高度成長期の1950年代以降、ゴキブリなどの駆除剤として、「ヒレスロイド」という薬剤が含まれる害虫駆除剤が市販され使用されるようになったのですが、それに対しての抵抗力の強いものが生き残り世代交代を繰り返しさらに進化してきたのです。

耐性ゴキブリの駆除方法

耐性ゴキブリの駆除方法を示します。

  • 毒エサ以外の食べ物を置かない。
  • ゴキブリを引きつける毒エサのにおいを変える。
  • 置き場所を変える。
  • 普通のスプレータイプの殺虫剤や毒エサではなく、ホウ酸団子を使う。(ただし全ての生物にとって効くので使用には注意が必要)

まとめ

駆除するには殺虫剤を吹きかけたり、毒エサトラップをしかけたりしますが、ゴキブリ1匹見かけたらどこかに100匹潜んでいるともいわれます。

ゴキブリを根こそぎ駆除したりゴキブリが寄ったりしないようにするためには、食べ物を置かないことです。

 

つまりは部屋中、家中のすみずみまで念入りに掃除をする、ということが一番の方法です。

けれどもそれは一番むずかしい方法ともいえます。

ゴキブリそのものには毒はないのですが、不快害虫には違いないのでどうしても駆除方法を考えずにはいられません。

(ライター sensyu-k)