ゴキブリは、黒光りするボディーに素早い動きでみんなの嫌われ者としてすっかり定着しています。
しかし、意外にもそのゴキブリの脱皮直後の姿が美しいと言われていたり、脱皮に着目した駆除の方法が開発されているのをご存知でしょうか。
読んだらきっとイメージが変わる、ゴキブリの脱皮についてまとめました。
ゴキブリとは?
3億年前から地球に存在していたとされる昆虫で、生きた化石とも呼ばれています。
全世界になんと1兆匹以上いるとも言われています。本来は熱帯の生き物ですが、寒さや食べ物に困ることのない人間の住環境にも住むようになりました。
大きなあごを使って何でも食べる雑食性で、人間の髪の毛や垢、和紙や油までも食べるとされています。
生命力がとても強く、水も飲まない状態で1カ月以上生き延びられる種類もいます。
害虫とされることが多いのですが、その強い生命力から、対策が難しく駆除が難しい昆虫です。
ゴキブリの脱皮
ゴキブリは幼虫から成虫へと成長していく中で脱皮を繰り返す不完全船体の昆虫です。
それまで自分を覆っていたキチン質という頑丈な殻を背中から破って脱皮します。
殻から抜け出すと、息を吸い込み、体を前の殻を上回る大きさになるまで膨張させます。
こうして、脱皮を繰り返すたびに大きくなっていきます。
一回の脱皮で重さも倍近く増えるほど大きくなります。
種類にもよりますが、ゴキブリは6回くらい脱皮を繰り返すことが多いようです。
例えばチャバネゴキブリなら2か月ほどの間に6回の脱皮をし、成虫へと成長していきます。
産まれたばかりの幼虫は、数日後には脱皮を始めてどんどんと成長していきます。
ゴキブリは脱皮を妨害して、駆除できる
脱皮という生態に着目した駆除方法が開発されています。
中部大学の教授が開発した方法で、ゴキブリの脱皮を妨害すること死滅させるという方法です。
ゴキブリの体内に「RNA」という物質を入れると遺伝子に影響を与え、脱皮ができなくなるのです。
現在は注射器による摂取によって効果があることが分かっていますが、餌などの経口摂取でRNAを投与し、駆除することを目標にしています。
ゴキブリの脱皮した殻は?
ゴキブリを見ることはあっても、脱皮した殻はなかなか見かけませんよね。
蝉のように脱皮した殻をどこかで見かけそうなものですが、見たことがある人は少ないのではないでしょうか。
ゴキブリは脱皮した後、前の殻を自分で食べてしまいます。
抜け殻には、たんぱく質やキチンといった栄養素がありますので、それらを取り込むために、脱皮した殻は自分で食べてしまうのです。
何とも無駄のない成長過程ですね。
だから蝉のように殻がそのまま残されているわけではないので、見たことがないのも納得です。
また、脱皮するときに、触覚や足なども新しく生え変わります。
脱皮した直後は意外な姿
ゴキブリの脱皮した直後の姿って見たことがありますか。
実は脱皮直後のゴキブリは、あの黒光りしたボディからは想像できないほど、真っ白なのです。
思わず「きれい」とつぶやいてしまうほど、美しい白色をしています。
その後、24時間かけて、通常の色へと変色していきます。
脱皮直後の色でずーっといられれば、かなりのイメージアップになりそうですが、美しい色でいられるは1日限定の様です。
しかし、この白いゴキブリは誰にでも見られるというものではありません。
脱皮直後は体も柔らかく無防備なので、ゴキブリは物陰に隠れて脱皮を行いますので、見逃してしまうことがほとんどです。
普通は、ゴキブリは出会ってしまうと、かなりの衝撃とアンラッキー感を味わいますが、もしも、脱皮したばかりの白い状態のときに出会ったら、それはとても幸運かもしれませんね。
ライター:さくら