有機栽培や家庭菜園をしている人にとっては土壌の分解者として有難いミミズ。

しかし、芝生にとってはどうやら厄介者らしく・・・・。

ミミズの特徴と生態

ミミズは環形動物門貧毛鋼に属する動物の総称です。

目がなく、手足もない紐状の動物で、ミミズの名前は「目見えず」から転じたともいわれ、西日本ではメメズと呼ぶ地域も多いのだそう。

一般的にミミズ類は体表面に眼だった器官は見られませんが、ミズミミズなどでは頭部器官や眼点なども目立ちます。

エラミミズは外鰓が発達していて、大型の典型的なミミズ類であっても体表には微小な視細胞が散在し、光の方向を感知することができます。

 

一般的なミミズの体の特徴は、細長く沢山の体節に分かれていて、最先端には口前葉があります。

体表には体節ごとに短いながらも頑丈な剛毛が生えていて、この剛毛がスパイクとして機能することでミミズの体の運動を前方への移動にすることができます。

成熟したミミズで舎体の前の方にいくつかの体節にまたがった肥大した帯状部分を持ちます。

 

多くの大型ミミズの類は環帯寄りも前方の腹面に雄性生殖孔があり、環帯の腹面に雌性生殖孔があります。

雌雄同体で繁殖時期になると二頭の生態が体を逆方向に向けて環帯部分の覆面を接着することで交接を行い、精子を交換します。

自切行為も見られますが、前半身から後半身の再生は見られますが、後半身からの再生は行われません。

芝生のミミズ

成熟したミミズは結構な量の糞をします。

ミミズは1日当たり、自分の体重の半分くらいから同量程度の餌を摂取し、その糞が良質な肥料や土壌改良剤として利用されていたりもするのですが、一方で糞として排泄した土塊がイネの苗を覆って機会による稲刈りに支障を与えたり、地表に多くの糞塊を積み上げるのでゴルフ場の芝生を汚損することから害虫として扱われるものもあります。

 

芝生に糞塊を積み上げるのはクソミミズと言われ、悪臭があり、体長は150㎜、はば5mmほどのちゅうがたのミミズです。

体節数は110~138程あり、背面は緑を帯びて、特に後方で鮮明で前方は緑がかった灰色になっています。

 

腹面は青白い灰色で環帯は乳色からチョコレート色をしています。

日本では北海道から九州、沖縄にも生息していて、日本産のミミズの中では最もよく地表に糞塊を排出する種類です。

糞塊を作るのは4~10月。

 

地下10㎝程度までの深さに集中しており、寒くなるとより深く潜るようになります。

不活発で地上に出しても跳ねたりくねりまわったりせず、塊のように丸まってしまいますが、この時に悪臭を放ちます。

クソミミズの糞塊は時に高さが1㎝にも及びます。

 

最も活発なのが6月で、今までの記録では1㎡辺り乾燥重量で1kgを上回ったこともあるほど。

ゴルフ場などではゴルフボールが汚れるだけでなく、芝生にもダメージがあることから対策が考えられています。

ミミズの駆除

糞塚を発見したら、それは一つ一つ散らすか取り除くしかないのですが、その前に、ミミズが成熟して大きな糞塊を作る前、3から4月頃に小さなミミズを駆除しておくと効果があります。

小さなミミズ駆除の有効なのは椿油粕です。

椿油粕を地中にしみこませることによって、椿油粕に含まれているサポニンという天然の界面活性剤が土壌中にいきわたります。

ミミズはこのサポニンによって体表のヌメリが除去されるのを嫌がり、地表に逃げ出してきます。

 

地表に出てきたミミズは紫外線を浴び死んでしまうか、鳥たちの餌になります。

ポイントは椿油粕を蒔いた後にしっかりと散水して土壌中に成分をしみこませることです。

散水してからミミズが地表に出てくるまでの時間は、散水中のこともあれば30分以上かかることもあります。

様子をみながら散水するようにしましょう。

(ライター ナオ)