あぶらむし対策に牛乳が効くと言話を聞いたことがありますか?

私たちが普段よく飲んでいる牛乳が本当にアブラムシに効くのでしょうか?

アブラムシの特徴と生態

アブラムシはカメムシ目アブラムシ上科に属する昆虫の総称で、アリマキと呼ばれることもあります。

植物の維管束に口の張りを突き刺して、師管の液を吸って生活しています。

翅を持たない種類が多く、植物の上でじっとしていて、アリとの共生関係が見られます。

春から夏にかけて、単為生殖により体内に子供のいるメスを生み、爆発的に数を増やす習性があります。

植物にびっしりとアブラムシがついているのはこの時期です。

 

秋から冬にかけてはオスが発生し、この時に有性生殖を行います。

アブラムシの中には1齢幼虫と2齢幼虫の一部が兵隊アブラムシに分化し、積極的に外敵に攻撃するようになるものもいますが、これらの幼虫は成長をしないで死んでいきます。

 

体内でブフネラという大腸菌近縁の細菌と共生していて、ブフネラは師管液からアブラムシの必要ンア栄養分を合成し、アブラムシはブフネラが生育するために必要な特別な細胞を提供しています。

ブフネラはアブラムシの体外では生存できず、アブラムシもブフネラなしでは生存することが出来ません。

アブラムシの被害

野菜や果物を栽培する時、アブラムシはとても厄介な害虫です。

植物の栄養をどんどん吸い取ってしまい、植物は衰えてしまうからです。

 

また、寄生されれば瘤が出来、葉が丸くなってしまうものも出てきます。

最も深刻な被害はウイルスの媒介やスス病の原因となる間接的な被害です。

 

ウイルスに感染している植物に寄生したアブラムシが他の完全な植物に寄生することで感染はどんどん広がっていってしまいます。

また、アブラムシの出す甘露はスス病の原因となる菌を引き寄せてしまうこともあります。

アブラムシの駆除

あぶらむしの駆除は駆除剤などが市販されています。

しかし、薬剤を使いたくない時にもいくつか効果的な方法がありますのでご紹介します。

 

まずは天敵を使った駆除方法です。

この方法はアブラムシを絶滅させることはできませんが、上手くいけばかなりの個体数を減らすことができます。

 

アブラムシの天敵はテントウムシやカゲロウ、ヒラタアブ、寄生バチです。

中でもテントウムシは比較的見つけやすく、捕まえてきてアブラムシの被害がある植物の周辺に放しておくと、アブラムシの個体数を減らすことができます。

牛乳を使ったアブラムシの駆除方法

木酢液や牛乳を使った駆除方法もあります。

牛乳の効果は牛乳に含まれているタンパク質の成分が固まって、アブラムシの気孔を塞ぎ、乾くときに縮んで窒息させてしまうこと。

具体的な方法としては、アブラムシに効果的な濃度まで薄めた牛乳をスプレー容器などに入れ、天気の良い日中にアブラムシに直接スプレーすることです。

 

牛乳を駆除に使う時に気をつけなければならないのは、牛乳のかかった植物自体もタンパク質が固まることで呼吸を妨げられる可能性があるので、葉や茎にかかった牛乳はきちんと拭き取ってあげること。

また、鉢植えの植物などの場合も、鉢についた牛乳をそのまま放っておくとカビなどの原因になるので、しっかりと拭き取る必要があります。

 

また、牛乳の代わりに片栗粉や砂糖などを溶かしてスプレーしても同じ効果が得られるようですが、こちらもスプレーした後の植物に残った液体はきちんと拭き取らなけらば、牛乳スプレーと同じことが起こります。

特に砂糖水はべたつきがかなりありますので、注意が必要です。

 

木酢液も効果があります。

木酢の場合は酢の酸が有効成分で、植物に打撃のない程度まで希釈して使います。

拭き取りは必要ありません。

(ライター ナオ)