東京ではクマゼミの鳴き声は聞こえない、という常識はとっくに10年以上も前のこと。
現在では東京でもクマゼミが急増しているのだとか・・・・・!?
その理由について詳しくお話ししていきます。
クマゼミの特徴と生態
クマゼミはカメムシ目ヨコバイ亜目瀬美香に分類されるセミの一種です。
分類学上はエゾゼミやコエゾゼミと禁煙で日本特産の大型のセミ。
成虫の体長は60~70㎜ほどでアブラゼミやミンミンゼミに比べて頭部の幅が広く、日本産のセミの中ではヤエヤマクマゼミに次いで大きな体をしています。
翅は透明で付け根付近の翅脈は緑色、背中側は艶のある黒色ですが、腹部の中程に白い横斑が2つほどついています。
羽化から数日までの個体は背中側が金色の微毛で覆われ、腹部は白、褐色、黒の組み合わさった体色で、オスの腹部には大きな橙色の腹弁があります。
温暖な地域の平地や低山地に棲息していて、都市部の公園や街路樹などにも多く、成虫が発生するのは7月上旬から9月上旬暗いですが、特に7月下旬から8月上旬、大暑から立秋にかけての最も暑い頃が発生のピークデス。
成虫の寿命は2週間ほどと言われていますが、30日生きたメスの個体が発見されたという報告もあるのだとか・・・
クマゼミの鳴き方と秘密
オスのクマゼミの鳴き声は「シャシャシャシャシャ」や「センセンセンセン」などと聞こえますが、その前後には「ジー」という長い声も入ります。
また、オスを捕まえると「ジー」や「ゲー」とも聞こえる大声を出し続けてもがき、羽を羽ばたかせる力も強力で、近くで葉「ブーン」という羽の音が聞こえるほどです。
手足の力も強く、素手で捕まえようとするとひっかき傷をつけられる可能性もあります。
鳴く時間帯は日の出から正午までの午前中、午前7~10時頃までが最も盛ん。
クマゼミとミンミンゼミは人間が聞くと全く違った鳴き方をしているように聞こえますが、実はベースになっている音は両者とも同じで、クマゼミの音をゆっくりと再生すると実民ゼミの鳴き声になるという関係にあります。
そのため、両者は明確な棲み分けをしており、環境によるものや時期によるものがあります。
西日本のクマゼミが多く生息しているような場所ではとりわけ、この時期的な棲み分けが顕著で、クマゼミの終息と共にミンミンゼミの発生が始まると言われています。
クマゼミの分布の拡大
クマゼミの分布は温暖な西日本以南、というのがかつての常識でした。
大阪ではクマゼミの鳴き声が聞けるけど、東京では聞くことができず、北限は神奈川県となっていたのです。
しかし、2000年を越える頃から東京のあちこちでクマゼミの声が聞こえるようになり、分布していないとされていた日本海側の金沢市でもクマゼミの抜け殻が見つかるようになっています。
この一つの原因が温暖化によるもの。そしてもう一つが植物の移植によるものではないかと考えられています。
東京におけるクマゼミの声の確認は局所的で、例えば東京都千代田区、港区、渋谷区などではほとんど聞かれない一方で大田区や東京ディズニーランド内の人工林では毎年発生しているなど、バラバラ。
北海道の札幌においてもこのセミの声がごくまれに聞こえることもあり、これらの現象が樹木の移植によるものと考えられていますのです。
セミの場合は幼虫の時代を土の中で過ごすため、比較的温度や気候の影響を受けにくいと言われています。
実際に10年間は頻繁に聞かれていたクマゼミの声がぱたりと聞こえなくなり、姿も見せなくなったという事例も多く、一時的にクマゼミが存在するものの、定着するというところまではいかないのが実情のようです。
(ライター ナオ)