ゴキブリはなぜ嫌われるのでしょうか?中にはゴキブリが好きでたまらない、という人も、どちらでもないという人もいると思いますが、一般的には不快であったり嫌悪感をいだく人が多いと考えられます。

世界のゴキブリ

ゴキブリはゴキブリ目という昆虫の中でシロアリ以外の虫とされています。

ゴキブリの種類は熱帯、亜熱帯、温帯などを中心に4000種ほどいるとされています。日本に生息しているらしいのは40種ほどです。

マレーシアに生息するゴキブリは、まるでダンゴムシのような姿です。

その名もダンゴゴキブリです。やはり捕まえると丸まり、体長1cmほどだそうです。

 

触角は長いものの、ゴキブリらしくないですね。あるいはゴキブリの特徴である、翅をもち飛ぶという生態ですが、オーストラリアに生息しているヨロイモグラゴキブリは翅がありません。体色は赤茶で、体長は大きく6cmから8cmだそうです。

ゴキブリの虫としての側面

ゴキブリという虫がなぜこうも嫌われるのかを検証するにあたり、ゴキブリの生態に触れない訳にはいきません。

日本の建物内にいると思われる、クロゴキブリについての生態です。

 

ゴキブリは不完全変態の昆虫ですから、卵から生まれ、幼虫になり成虫になります。ゴキブリの産卵はメスがお尻から細長い卵鞘(らんしょう)を産みます。

卵鞘は最初白いのですが、出産しはじめてから時間が経つと赤味を帯び、茶系になります。

 

ゴキブリのメスは、数日経ち黒っぽくなった卵鞘を壁や床にくっつけます。それまでは腹部につけたままです。

卵鞘の大きさは約7mm程度で、中には卵が二列になって入っています。

ゴキブリのメスは初夏から秋くらいまでこの産卵行動を繰り返します。

ゴキブリの幼虫

卵鞘は産まれてひと月ほどで真っ黒になり、幼虫が孵化します。

卵鞘の上の部分にある、がま口っぽい箇所が開いて中からぞろぞろ透明のゴキブリの幼虫が出てきます。

大きさはだいたい4mmです。1時間くらい経つと透明な体は黒くなっていき、歩いたりします。もちろん餌も食べ始めます。

ゴキブリの脱皮と成長

ゴキブリは脱皮を繰り返し成長します。

ひとつの卵鞘から産まれた幼虫たちは、はじめは同じようなところに固まって動いていますが、そのうちばらけ始め、餌を探します。

 

建物内であれば食べ物に事欠くことはないでしょう。10日ほどで最初の脱皮を行い、成虫になるまで10回ほど脱皮します。

ゴキブリは気温によって幼虫で越冬したり、成虫で過ごしたりします。まだ成虫になっていないゴキブリが越冬した場合、翌年の春から秋にかけて脱皮をします。

 

そしてまた越冬し、幼虫生活が2年目になるととうとう羽化します。

クロゴキブリは成長が比較的遅めで、しぶといタイプのゴキブリです。チャバネゴキブリは成長が早いですが、体は小さくわりと弱いこともあります。

ゴキブリの特徴

羽化したゴキブリは交尾を行い、気温が下がりすぎない頃まで産卵し続けます。

交尾の際はオスは背中側からメスを誘う物質を分泌し、メスはこの分泌物を舐めるために、オスの背中に乗り交尾を行います。

 

ゴキブリの習性によく数匹固まっている、というものがあります。

クロゴキブリの糞には特殊な物質が含まれており、それで仲間を引き寄せるのです。

クロゴキブリは体長が4、5cmですが、触角が長いです。チャバネゴキブリはそれより小さく、色も薄いことが多いです。

 

ゴキブリの触角は長いです。なんとクロゴキブリの触角には節が100ほどあり、鞭のように弾力性をもちます。

複眼や単眼はありますが、夜行性であり視力は発達していないゴキブリは、触角を使い餌を求めて動き回ります。

 

ゴキブリの体はよく見るとお尻の先がやや尖っています。この部分は尾肢(びし)とよばれ、微細な空気の動きをすばやくキャッチします。

脚にも多くの毛があり、よく発達しておりその上脚の先には爪までついています。

 

これらの体であのようにざざーっと逃げる動き、人間を感知する速さ、壁をつたって走るような動きなどが可能になっています。

そのうえ、大あごは発達しており何でも食べるので生命力が強いのです。

ゴキブリの餌

国内で一般的にみられる、クロゴキブリやチャバネゴキブリはわりとなんでも食べます。

中にはオオゴキブリのように山の中で生息する種類もいます。

 

また、ヤマトゴキブリという種は樹液が大好きなので、樹木のそばに生息しています。

カブトムシとセットのように、よく観察されるゴキブリの一種だそうです。

ゴキブリに関するなぜ

ゴキブリが嫌いな理由として、不潔っぽいことがあげられます。

屋内にいるゴキブリは多くの場合、排水管だとか腐臭のするようなところから入ってくるからです。

 

また、幼少時にとつぜん黒光りするゴキブリが自分めがけて飛んできた、というような体験を持つ人もゴキブリが嫌いになる傾向は強いと考えられます。

実はゴキブリはものすごく飛べるわけでもなく、ちょっと飛び跳ねる、みたいな感じでもありますが、自分の体が小さいとゴキブリはそれこそ巨大に見えます。

 

このような心理的な作用からくる嫌悪感は根強いものがあるのではないでしょうか。

後々ゴキブリ自体に黴菌はないだとか実はそんなに飛ばないよ、と聞いてもやはり嫌なものです。

 

最近ではなんと、古代生物であったらしい1mを超える巨大ゴキブリのことが人間の遺伝情報に組み込まれているため本能的に嫌悪感を抱く、という話まであるようです。

ゴキブリはなぜ嫌われるのか

よく考えてみたら、ゴキブリがなぜ嫌いなのかという事柄は、好き嫌いという感情的なものですから、主観や気分、小児体験、周囲の状態などが自分でも知らないうちに混じり合い、その時の状況により驚くほど簡単に左右されるような理由のないものかもしれません。

その理由づけに遺伝情報が出てくるのはちょっと面白いですね。

 

個人的にはゴキブリは嫌いです。なぜ、どうして、理由、そのようなものは特になく、ただ好きにはなれないだけです。

一方でゴキブリもひとつの昆虫なんだ!と力強く主張し熱心に飼育している人がいても、それはそれでいいような気がします。

 

自分は絶対に嫌ですが。ゴキブリに関して嫌なことのひとつに、置くタイプの駆除剤のにおいが嫌いだったということがあります。

旧タイプのゴキブリホイホイです。あれは今でも嫌です。

 

また、美術準備室に潜んでいたゴキブリを何等かのスプレーをとっさに噴射し駆除したこともあります。

部室には油絵やオイル、固まった筆などがあり常に薄暗く汚かったので居心地が良かったに違いありません。

(ライター:おもち)