小さくて、赤い黒丸模様がチャームポイントのテントウムシ。
テントウムシはアブラムシなどを食べてくれる益虫だと思っていましたが、テントウムシのなかには害虫とされる種類もいるそうです。
テントウムシは害虫であるのかどうかについて、詳しく調べていきたいと思います。
テントウムシとは?
「テントウムシ(天道虫)」とは、コウチュウ目テントウムシ科に属しています。
太陽(お天道様)に向かって飛んで行くことが名前の由来になりました。
テントウムシは世界中で4500種類、日本では200種類確認されています。
テントウムシの大きさは体長が1~10mmぐらいで、種類によって変わります。
私達がよく見かけるテントウムシは”ナナホシテントウ”といって、体長は6mm前後です。
体型は半球形で、体の色は赤色や黒色など鮮やかな色が多いです。
背中には黒丸模様があります。
テントウムシは肉食なので、アブラムシ類やハダニ類、カイガラムシ類などを捕食する益虫とされています。
テントウムシのなかで害虫とされている「テントウムシダマシ」
テントウムシの中でも草食性のテントウムシのことを「テントウムシダマシ」と言います。
テントウムシダマシは農作物の葉を食べるので、害虫とされています。
そんなテントウムシダマシの種類を紹介したいと思います。
ニジュウヤホシテントウ
ニジュウヤホシテントウの体長は6mmぐらいの大きさです。
体の色は黄褐色がベースになっていて、背中に灰褐色の毛が生えています。
28個の黒丸模様が背中にあるのでニジュウヤホシテントウという名前になりました。
日本では関東以南に分布しています。
落ち葉の下などで越冬し、春になると食害を始め、年に2~3回発生します。
草食性で、成虫も幼虫もナス科の農作物(トマトやシシトウなど)の葉を餌としています。
大あごの先にフォークのような形をした突起があり、これを使って葉の裏から食べていき、葉の表皮だけを残します。
オオニジュウヤホシテントウ
オオニジュウヤホシテントウの体長は6~8mmぐらいの大きさです。
赤褐色や橙色がベースの体の色で、背中に28個の黒丸模様があります。
ニジュウヤホシテントウよりも体が大きくて、黒丸模様も大きめです。
日本全国に生息しています。
ナス科の農作物(ナスやジャガイモなど)の葉を餌としています。
大きな畑よりも、家庭菜園のような小さな畑によく現れます。
ルイヨウマダラテントウ
ルイヨウマダラテントウは、日本では関東~中京に分布しています。
体長は6.5~8mmぐらいの大きさで、体の色はオオニジュウヤホシテントウより濃いめで、光沢があります。
ルイヨウボタン(類葉牡丹)を特によく食べるので、名前が付きました。
ナス科の農作物の葉を食べます。
インゲンテントウ
インゲンテントウは日本では、本州中部に分布していて、年に2回発生します。
体長は6~8.5mmぐらいの大きさで、すこし細長い体の形をしています。
体の色はブロンズのような色で、背中の黒丸模様が8個あります。
インゲンテントウはインゲンやササゲなどのマメ科作物の葉を食べます。
成虫を捕まえると黄色い体液を出します。
テントウムシは害虫なのかどうかのまとめ
テントウムシは害虫であるのかどうかについて調べてきましたが、いかがでしたでしょうか。
私達がテントウムシと聞いて想像する、あの赤いテントウムシは害虫ではありません。
ですが、体の色に艶がなく、毛がたくさん生えているテントウムシダマシは、ナス科やマメ科の植物の葉を食べる害虫になります。
家庭菜園で多く被害が見られるそうなので、日頃から農作物をチェックすることを心がけましょう。
(ライター 雲呑)