尺取り虫は食欲旺盛な芋虫状の虫です。
小さい植木鉢などにつくと、葉を食べつくすこともあり困った存在のひとつです。
尺取り虫の特徴
尺取り虫は、シャクガという蛾の一種の幼虫です。シャクガは種が多いので尺取り虫の種類もまた多いことになります。
シャクガの幼虫のことをまとめて尺取り虫と呼んでいます。そのため尺取り虫の食害による対策などを調べたい場合、「シャクガ」で調べる方が手っ取り早いかもしれません。
一般的にみられる尺取り虫の特徴は移動方法にあります。誰もが一度は目にしたことがあると思われる、独自の動きです。
脚ではなく体全体を使い、寸法を測るかのように移動します。
なぜこのようになるかというと、尺取り虫は芋虫でありながら脚が一部退化しており、脚を使った通常の芋虫の移動ができないからです。
そのため体を大きく使い移動します。この動きがシャクガの幼虫である尺取り虫の最大の特徴です。
体長は25mm程度であることが多く、尺取り虫の発生時期は初夏から夏にかけてです。また、体色は緑系のことも多いですが、中には茶系で木の擬態をしているものもいます。
尺取り虫の食べ物は主に葉です。ナシやリンゴなどの果樹やクヌギなどの葉、花芽や新芽、果実など固い枝以外の植物をよく食べます。
尺取り虫の一生や種類など
尺取り虫はいずれ成虫になります。種類や生息地域によって蛹で越冬したり、蛾の姿で越冬したり様々です。
シャクガの成虫が見られるのは主に春から夏、秋などです。
珍しいものとして、冬の時期に現れるシロフユエダジャクという白いシャクガもいます。
シロフユエダジャクの幼虫の尺取り虫は、よくクヌギの木の葉を食べます。
驚くべきことに、このシロフユエダジャクのメスは翅が殆どないような姿なのです。
冬の時期に出現するシャクガは、フユシャクガといわれます。尺取り虫は種類により好む木の葉があるようです。
尺取り虫は、新緑や新芽などをもりもり食べて葉の裏などに産卵し、次々に孵化します。
発生時期は年に2、3回と多めです。この間駆除したのにまだくねっている芋虫がいる、と思ったらそれはおそらく尺取虫です。
尺取り虫の時期
尺取り虫は冬の時期は発生しませんが、春夏は主に葉などを食べ、秋になると果実類に移行し、そろそろ春かな、という頃には花芽を食べることがあります。
尺取り虫の被害が目立つ時期は春夏ですが、だいたい一年中、虫として活動していることになります。
春先に新芽がないとか、花芽がうまく出ない場合、尺取り虫の仕業かもしれません。
尺取り虫の駆除
尺取り虫は毒がありません。幼虫の状態でつまんで捨てることも可能です。
産卵回数が多く卵の数も多く孵化も早いので、次々に出てくるということもあります。
そういう場合も、やはり葉ごとビニール袋や新聞紙などでごそっと取ってしまいましょう。
幼虫になる前に卵を駆除しておけばよいのではないかとも考えられます。
尺取り虫の卵自体は非常に小さいものですが、まとまって産卵されていることも多いので葉の裏や枝の分かれ目などをよく見ておき、卵がついた葉ごと取ります。
また、尺取り虫は食べ始めると盛んに糞をします。
黒っぽいものが落ちていたら、尺取り虫かもしれません。尺取り虫たちは成長すると薬剤が効きにくい場合もあります。
そこまで成長する前に駆除しておくのがよいでしょう。
尺取り虫たちは体が皆小さく、食害がかなり進むまで気付かないこともあります。
どのようなところに発生しやすいのかも多様な植物を食べるため、分かりにくいこともあります。
草のあるところ、近くに林などがある地域には比較的尺取虫が発生しやすいようなので、植物のまわりは常に見通しのよい状態にしておくのが理想的です。
尺取り虫の駆除
尺取り虫に毒はありませんから、素手でつかんでも差し支えありません。
虫が苦手な人でも毛虫よりはましではないでしょうか。
シャクガの幼虫なので付近に小さめの蛾が頻繁に発生していると、その幼虫がどこかで元気に葉などを食べている可能性があります。対策としては、植物の周辺をよく掃除しておくことのようです。
(ライター:おもち)