皆さんはベニスズメという昆虫をご存知でしょうか?
名前の由来は、成虫になると体色が紅色になることからその名が付けられたようです。
元々は外来種でしたが、今は日本各地に生息しているので見たことがある方も多いと思います。
今回はベニスズメの成虫と幼虫の生態や特徴などについて紹介していきたいと思います!
ベニスズメってどんな虫?~成虫と幼虫の生態と特徴~
ベニスズメの生態は、スズメ目スズメガ科に属する蛾の一種です。
生息地は、イギリス・アイルランド・ヨーロッパ・ロシア・中国・韓国・インド北部・日本など様々な国に広く分布しています。
平地~山地などに広く分布していて、スズメガの種類の中では一番きれいな蛾とされています。
ベニスズメの成虫は、開張55mm~65mm程あり、体色はピンク色に近い紅色で黄緑色の模様が入っていて、モフモフの毛が生えているのが特徴です。
成虫は5月~7月にかけて姿を現す事が多く、日中は大人しくしている事が多いですが夕方から夜にかけて活発に活動し始める夜行性です。
餌にしているのは花の蜜です。
幼虫は成虫の時のような美しさは無く、体長は75mmほど太さは1㎝くらいで、体色は黒色で先端が白っぽく、お尻の方には尾角という角のようなものが生えています。
眼状紋は二体あり、眼状紋の並びの延長に黒の紋があります。
小さな白い斑点が各節部分と胴部側面に斜めに入っており、頭は蛇の顔の様になっているのが特徴です。
幼虫が餌にする植物は下記の通りです。
- アカバナ科⇒オオマツヨイグサ・ツキミソウ・フクシャ・ゴデジャ・ヤナギラン
- ツリフネソウ科⇒ホウセンカ・ツリフネソウ・キツリフネ
- ミソハギ科⇒ミソハギ・エゾミソハギ
- アカネ科⇒カワラマツバ
- ブドウ科⇒ブドウ
- アブラナ科⇒スカシタゴボウ
- マメ科⇒シロツメクサ
ベニスズメの幼虫は食欲旺盛なので、植物に寄生されるとあっという間に食べられてしまい、放って置くと葉や枝だけに…なんて事もしばしばあるので少し注意が必要です。
ただ群生して発生する事は無いので、駆除するにしてもとても楽だと思います。
そして、毒は持っていないので人間には害は無いので安心してください。
ベニスズメの幼虫は年に2~3回は発生すると言われています。
ベニスズメの幼虫の特技とは?~ベニスズメの雑学~
ベニスズメの幼虫の最大の特技と言えば「擬態」です!
擬態とは昆虫のみならず動物などでも使うものもいますが、他の姿形に似せて化ける事です。
ベニスズメの幼虫の普段の姿は丸々していて、芋虫のような形をしているのですが
危険を察知すると頭を三角に尖らせて、ヘビのような形になります。
これは、鳥類などの天敵から身を守るための防御姿勢なんだそうです。
でも見事な擬態なんですが、体は小さいので迫力には欠けます…。
むしろ必死な姿に少し可愛らしさを感じてしまいます。
ベニスズメの幼虫は飼育もとても簡単なので、実際に成虫になるまでの過程を飼育しながら観察するのも楽しいかも知れません。
餌は基本的に上記に書いたいずれかの植物を与えてあげたら食べてくれます。
キャベツの葉を食べたりもするそうですが、食にはこだわりがあるらしく気に入ったものしか食べてくれないんだとか。
実物を観察すると、図鑑や写真などからでは分からなかった生態の発見や面白い習性が見つかるので、もっとベニスズメについて知りたいという方にはオススメです!
ベニスズメについてのまとめ
今回はベニスズメについて紹介しましたが如何でしたでしょうか?
あんな小さな体で頑張って擬態をする姿には愛らしさを感じますね。
成虫も、綺麗な色と模様を持っていてとても美しいです。
皆さんも観察してみて下さいね。
ライターMISAKI