綺麗なのが蝶で気持ち悪いのが蛾。

そんな思い込みをしている方はいませんか?

 

世界中、いいえ日本の中でも広く見渡せば、綺麗な蛾や可愛い蛾は結構いるんです。

今回は、可愛い蛾をまとめてみました。

リンゴドクガ

プードル蛾と呼ばれるベネズエラで撮影された蛾が何とも可愛いと評判になりました。

全身白くてモフモフしていて、大きな目が何とも特徴的。

 

実際はリンゴドクガと言われるドクガの一種だそうで、日本にも同じ種類の蛾が北海道から屋久島まで、沖縄県を除く全国各地に分布しているのだそうです。

名前の通りリンゴの樹木の周辺でよく見ることが出来ます。

 

ドクガ科に分類されますが、幼虫も成虫も実際に人間に影響を及ぼすほどの毒性はないとのこと。

幼虫は綺麗なレモン色の毛虫で、成虫とは似ても似つかない形状をしています。

 

成虫の体長は全長2.0m㎝程、翅を広げた時の全長は4.5~6.0㎝の小ぶりな蛾です。

外見が蚕に似ていることからまるでマスコットのようにかわいがられるようになりました。

危険を感じると、死んだふりをするそうで、それもまた可愛いのですが、この時にはお尻から体液をまきちらしますので、注意が必要です。

タケカレハ

タケカレハはチョウ目カレハガ科に属する蛾の一種で、日本全国に分布しています。

茶色い枯れ葉のような翅に黄色っぽく小さな紋があり、開張時は40~70㎜程になります。

 

幼虫は長い毒針毛の束を頭部付近と尾部付近に1束ずつ持っています。

繭にも毒針毛がありますが、成虫や卵にはないので、ウサギのような肌触りをした成虫の蛾を手に乗せてかわいがることは可能です。

タケやササ、ススキ、アシなどを食草としています。

オオスカシバ

オオスカシバガは本州以南に分布し、日本以外でもインド、スリランカ、東南アジア、中国まで広く分布しています。

翅が透明な蛾で夏の日中によく活動します。

 

成虫の前翅長は3㎝程、体の背中側は黄緑色で、腹側は白いのが特徴。

腹部の中程に赤い横帯模様があり、その前後に黒い帯模様が入り、腹部先端の左右には黒い毛の束があります。

 

和名の通り翅は透明で鱗粉がなく、黒い翅脈が走るのが大きな特徴。

羽化した直後は灰白色の鱗粉が翅を覆っていますが、羽ばたくと鱗粉がすぐに脱落して透明な翅になってしまいます。

モモイロヤママユ

モモイロヤママユはチョウ目ヤママユガ科に分類される北アフリカ大陸に分布している蛾。

ピンクと黄色という何ともメルヘンチックな配色をした蛾で、全身の毛がフワフワモコモコしています。

 

英名もロージーメイプルモスという可愛らしい名前がついています。

そして、成体も何だかメルヘン。

 

メープルシロップを採取するメープルに生息していて体長はオスが3~4㎝、メスが4~5㎝ほど。

メスはフェロモンを出してオスを引き寄せるのだそう。

 

蛾の生態としてはよくある話なのですが、モモイロヤママユがすると、何だかエロティックな感じがするのは不思議。

SNSなどでもとても話題を呼んだ蛾の一種です。

カノコガ

カノコガはチョウ目カノコガ科に分類され、日本各地で見ることが出来ます。

フタオビドロバチに擬態していると言われ、蛾とは思えないような風貌をしています。

 

体のわりに翅が大きく、翅に触れると鱗粉の模様がハンコを押したようにそのまま手につきます。

幼虫は毛虫で、黒い体に節ごとにたっぷりの毛を生やした、見た目は毒毒しい毛虫ですが、毒針は持っていません。

 

黒い翅にやや大き目の白斑をつけ、全体的に黒い体の腹節の一部は黄色くなっています。

触角が細くてハチのような姿をしていますが、刺すことはありません。

 

食草はシロツメクサやタンポポで、新鮮な葉はあまり好まないようです。

昼行性で吸蜜を行っています。

(ライター ナオ)