「ルビーロウカイガラムシ」聞いたことがありますか?

カイガラムシの仲間なんですが、カイガラムシ同様、樹木に害をもたらします。

 

赤い丸いものが樹木に付いていたら要注意です!

今回はルビーロウカイガラムシの害について調べてみることにしましょう。

ルビーロウカイガラムシとは?

「ルビーロウカイガラムシ(ルビーロウムシ)」とは、カメムシ目ヨコバイ亜目カタカイガラムシ科に属するカイガラムシのひとつです。

ルビーロウカイガラムシの見た目が宝石のルビーのようなので、そこから名前が付きました。

日本では、関東地方以西で見かけることができます。

ルビーロウカイガラムシの原産国はインドです。

 

明治初期に柑橘系の苗を輸入した際に、苗にルビーロウカイガラムシがくっ付いていたことから、日本に渡来したそうです。

ルビーロウカイガラムシは世界中に広がっていて、農業においては大害虫とされています。

ルビーロウカイガラムシの形態と生態

ルビーロウカイガラムシは頭もなく、4~5mmぐらいの赤いひとつの塊です。

脚はお腹にへばり付いています。

 

背中はロウ物質で覆われています。

このロウ物質は分厚く、赤紫色です。

 

呼吸するための空気はこのロウ物質の隙間から送られているそうです。

このルビーロウカイガラムシはすべてメスです。

 

オスはメスと交尾をした後に死んでしまいます。

6月になるとお腹の下に卵を産みます。

 

卵を産んだ後、メスは死にます。

出産した母親のロウ物質の中で卵が育ちます。

 

卵から孵化して、定着する樹木を決めます。

樹木を決めたら、長い口針を樹木に突き刺し、樹液を吸います。

ルビーロウカイガラムシの害

ルビーロウカイガラムシは、定着した樹木から樹液を吸い取り、樹木を弱らせたり、枯れさせたりします。

ルビーロウカイガラムシは、平均気温が14度ぐらいの等温線のところに発生するようです。

 

ミカンなどの柑橘系の樹木やツバキ、ゲッケイジュなどの樹木に発生します。

大気汚染などにも強いので、都会の樹木にも発生します。

 

ルビーロウカイガラムシの起こす害は「すす病」です。

ルビーロウカイガラムシの排出物にはたくさんの糖分が含まれています。

 

この排出物が葉っぱや枝などに付くことで、すす病が発生します。

葉っぱがすすで汚れたように黒くなります。

このすす病は樹木の光合成を妨げてしまうので、育ちにくくなり、見た目も悪くなります。

ルビーロウカイガラムシの天敵

ルビーロウカイガラムシの天敵は「寄生する蜂」です。

“ルビーアカヤドリコバチ”という蜂は、ルビーロウカイガラムシに寄生します。

 

ルビーアカヤドリコバチが生息しているところは、ルビーロウカイガラムシの数がとても少ないです。

ルビーロウカイガラムシが発生して困っている農業者さんたちは、ルビーアカヤドリコバチを放飼して被害を減らします。

ルビーロウカイガラムシの駆除

ルビーロウカイガラムシは、5~7月にかけて孵化します。

ルビーロウカイガラムシを駆除する場合は、孵化する前の時期が良いです。

 

ルビーロウカイガラムシの卵や幼虫にはカイガラムシ専用の殺虫剤も効き目があります。

スミチオン乳剤やスプラサイド乳剤40などもおすすめです。

 

ルビーロウカイガラムシの成虫は薬剤の効果があまりありません。

手作業で歯ブラシや割り箸などを使ってこそいで落としていきまじょう。

あんまりにもびっしりルビーロウカイガラムシが枝についている場合は、枝ごと切り落とすのもアリです。

ルビーロウカイガラムシの害について まとめ

ルビーロウカイガラムシの害について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

ルビーロウカイガラムシは柑橘系の樹木の樹液を吸って、樹木を弱らせたり、すす病を発生させたりします。

 

ルビーロウカイガラムシの害から樹木を守るには、こまめに樹木をチェックしましょう。

そして、ルビーロウカイガラムシの数が少ないうちに対処していきましょう。

(ライター 雲呑)