シマヘビというご存知の方は多いでしょう。
しかし、シマヘビの幼体を見たことがある方はなかなかいないのではないでしょうか。
実はシマヘビの幼体は全く成体とは違った見た目をしているんです。
今回はシマヘビの幼体に関するお話です。
シマヘビの特徴
シマヘビは爬虫類鋼有隣目ナミヘビ科ナメラ属に分類されるヘビ。
体長は80~200㎝で毒はありません。
日本の固有種で北海道、本州、四国、九州、大隅諸島に分布しています。
通常は淡黄色の体色に4本の黒い縦縞模様が入りますが縞を全く持たない個体や顎の辺りが黄色い個体なども存在します。
胴体中央部の体鱗は19列あり、腹板には目立った模様はありません。
クリーム色や黄色、淡紅色をしています。
体は細いのですが、それに比べると鱗は大きく、皮膚は固く、柔軟性がないので大きなエサを飲み込むことが出来ません。
虹彩は赤、瞳孔は縦長で楕円形をしています。
伊豆諸島祇苗島産の個体は海鳥の卵やヒナしか食べるものがないので大型化し、2mになる個体もいます。
逆に北海道産の個体は小さく、80㎝に満たないものもいます。
シマヘビの生態
主に耕地や河川敷に棲んでいる他、草原や森林にも住んでいます。
危険を感じると尾を激しく震わせて地面をたたいて威嚇。
食性は幅広く、鼠、小鳥、トカゲ、カエル、ヘビなどを捕食します。
特に爬虫類や両生類を好み、共食いもします。
飼育下では土壌を食べた記録もあるよう。
木にはあまり登らず、地面を素早く動くのが特徴です。
繁殖形態は卵生、4~5月に交尾をし、7~8月に4~15個の卵を産卵します。
繁殖期にはオス同士で絡みつき、争い合い、コンバットダンスと呼ばれる行動をとり、メスを取り合います。
交尾は地上で行われることもあれば、樹上で行われることもあります。
10分ほどで終わる場合もあれば、24時間以上かけて行われることもあるのだとか。
産卵の時期は7~8月で、一度の出産で4~16個の卵を石垣の隙間屋落ち葉の下などに産みます。
メスは出産直後からしばらくの間は卵を守り、孵化までには40~50日ほどかかります。
気性は比較的荒く、良く噛みつきます。
口吻すると顎が広がり頭部が三角的になって、尾を震わせたり地面をたたいたりして威嚇します。
カラスヘビの正体はシマヘビ
カラスヘビと言われる黒いヘビは実はシマヘビの黒化したもの。
つまり、アルビノの反対です。
メラニスティックと言われ、虹彩も黒い独特の降棒をしています。
もちろん、アルビノも存在し、白いヘビは縁起が良いと言われています。
また、地域によってかなり色彩の変異が見られるので、その個体差からペットとして飼育されることもあるようです。
飼育は大きめのゲージで行われ、日光浴をさせることと、稀にカエルしか食べないような個体もいるようで、エサに注意が必要です。
シマヘビの幼体
シマヘビの幼体は体色が淡黄色で縦縞はないか不鮮明で赤褐色の横縞が入っていて、成体のシマヘビとは似ても似つかない見た目をしています。
また、瞳孔も成体とは違い縦長です。
瞳孔が縦長のヘビは夜行性のものに多く、シマヘビの幼体を見かけることが少ないのも、実は幼体は夜行性だからではないかと考えられています。
幼体のエサは野生化ではトカゲやカエル、鼠などですが、孵化したばかりでは頭部は小指の先ほどしかないので、小さな子ガエルのようなカエルしか食べることはできません。
飼育下ではピンクマウスを与えるようです。
幼体の孵化直後のサイズは30㎝程。1年で約30㎝成長し、孵化から2年程では1m細部になります。
孵化直後からメスとオスのサイズには違いがあり、メスの方が若干大き目。
成長と共にその差は大きくなっていきます。
横縞の茶色くて小さいヘビを見つけたら、それはシマヘビの幼体かもしれません。
(ライター ナオ)