カミキリムシと言えば、気になるのが名前の由来。
漢字を当てはめると「噛み切り」「紙切り」「髪切り」の三通りが考えられ、カミキリムシの生態から噛み切りが由来なのではないかと思われがち。
しかし、正解は「髪切り」なのだそう。
髪の毛を切ってしまうほどの強い顎を持っている、というところからきているのだそうです。
さて、前置きはさておき、今回の本題である茶色のカミキリムシについて、あなたはどれくらいご存知ですか?
今回は茶色のカミキリムシの特集です。
カミキリムシの生態
カミキリムシはコウチュウ目カミキリムシ科に分類される、熱帯から亜寒帯地域に広く生息している昆虫です。
多年生の植物があるいたるところに分布していて、その数は名前がついているものだけでも2万種と言われています。
日本にも800種類ほどが生息しており、成虫は触覚が長く、その長さは体の半分ほどのものから3倍程あるものもいます。
肢は長くてがっしり、脚の先には並んだ符節があり、ハート形で細かい毛が生えています。
カミキリムシはこの符節と鉤爪があることによって、垂直な壁や木の幹なども昇っていくことが出来ます。
カミキリ虫を手でつかむと「キーキー」という鳴き声を出しますが、これは前胸と中胸をこすり合わせて音を発しています。
種類によっては前翅と後脚を擦り合わせているものもいます。
幼虫は決まった植物を食し、卵もその植物に産卵されることが多いようです。
イモムシ状で半透明の白色をしていて、テッポウムシとも呼ばれています。
草の茎、木の幹などにトンネルを掘り、大顎で植物の組織を食べながら成長します。
大きなトンネルを掘ると、そこで蛹になり孵化します。
カミキリムシと人間の関係
実に多くの種類がいるカミキリムシですが、林業や農業の分野では害虫として扱われることも多い虫です。
幼虫は木材などを食い荒らし、成虫も植物の茎や草、果実などを食します。
しかし、一方で大型のものは食用として利用されることもあり、薪の中にくべると、焼きあがった時に「パーン」という音がすることから、テッポウムシの名前がついたとも言われています。
カミキリムシの模様は独特の美しさを持っていて、昆虫採集の対象にもなっています。
カミキリムシを求めて世界を駆けまわる人もいるようです。
茶色のカミキリムシ
種類も多く、マニアを惹きつけるカミキリムシですから、もちろん種類も様々です。
赤、黄色、緑、青、灰色、まだらなど一言で表現するには難しい模様をしているものも沢山います。
そんな中、茶色系のカミキリムシを集めてみました。
脚を触角を除いて、特に模様も入らずまっ茶色というカミキリムシにはアカイロニセハムシカミキリやアメイロカミキリ、ウスバカミキリなどが挙げられます。
多くの茶系のカミキリムシが頭部だけ黒かったり、全体的に斑紋が入ったり、筋模様が入る中でこの2種類は綺麗な茶色をしています。
アカイロニセハムシハナカミキリは本州と四国に生息していて体長が6~9㎜、触角は黒と黄褐色のストライプです。
アメイロカミキリは体長が6.5~10.5㎜で触角が長く、常に触角を震わせているのが特徴です。本州、四国、九州の他域や屋久島などの島にも生息していて、クリやブナ、アカシデ、ケヤキなどに寄生します。
ウスバカミキリは触覚と脚を含める全部がやや同じ色をした茶色のカミキリムシと言えます。
北海道から沖縄までの広い地域に生息している日本ではシロスジカミキリやミヤマカミキリと並ぶ日本最大種。体長は30~58㎜程ですが個体変異が大きいのも特徴。
気性が荒く、複数の個体を同じ容器に入れるとたちまち激しくかみ合い、触覚や脚を欠損します。
また、孵化から羽化までは数年がかかるとされています。
(ライター ナオ)