日本では、「クリスマスカクタス」というよりは、「シャコバサボテン」という名前のほうが一般的かもしれません。

名前にあるようにサボテンの仲間なのですが、どんな花を咲かせるのかご存知でしょうか。

クリスマスカクタスにはどんな花が咲くか、きれいに咲かせるためにはどのように育てたらいいのかを調べてみました。

クリスマスカクタスとはどんな植物?

ブラジルのリオデジャネエイロ州の高い山脈が原産地、樹上や岩に着生して生活する多肉植物でサボテン科の仲間です。

ただしサボテンの仲間といっても高山で生活しているため、夏の暑さには弱く、むしろ寒さに強いという性質をもっています。

クリスマスカクタスの名前の由来

クリスマスカクタスの日本での呼び名は、シャコバサボテンです。葉っぱが節によってつながっている形状が、海にいる甲殻類のシャコに似ているから名付けられました。

また、北半球ではクリスマスの時期に花が咲くことからクリスマスカクタスとも呼ばれています。

 

さらにデンマークで品種改良されたものが普及しているのでデンマークカクタスという名前ももっています。

「カクタス」とは英名で「サボテン」を指します。

クリスマスカクタスの葉の特徴

クリスマスカクタスのシャコのように見える葉っぱは、実は葉ではありません。

葉に見えるのは、茎節という茎が節でつながって葉の役割をしているからです。

多肉質で縁にぎざぎざがある小判型の茎節が連なり枝分かれし、その枝先に花をつけます。

クリスマスカクタスの花

クリスマスカクタスは短日性なので、日が短くなる晩秋から1月ごろにかけて花を咲かせます。

花の大きさは、5~7cmぐらい。

 

花色は、赤・ピンク・朱色・黄色・白などで、反り返った花びらと長い雄しべが魅力的です。

シャコのような葉に似つかわしくない美しく華やかな花を咲かせます。

クリスマスカクタスの育て方

【置き場所・日当たり】

■夏:風通しのよい明るい日陰

クリスマスカクタスは多肉植物、サボテンの仲間なので加湿に気をつけ乾燥気味に育てます。

けれどもサボテンの仲間であるのに暑さには弱いので、夏は風通しのよい明るい日陰に置くようにしてください。

■冬(11月ごろ~3月ごろ):室内

比較的寒さには強いのですが、霜にあてたりしないように11月ごろからは室内に取り込みましょう。

ただし、昼は暖かいが夜は冷えるなど、1日の寒暖差が大きいところは避けたほうがいいでしょう。

またクリスマスカクタスの蕾は環境の変化に敏感なので、蕾がつく前か、蕾が開きはじめてから移動するようにしないと蕾が落ちてしまうので注意してください。

■春~秋(4月ごろ~11月ごろ):戸外

クリスマスカクタスは短日性なので、日が短くならないと花芽がつきません。蛍光灯などにも反応するので、短日を感じさせるために11月ごろまでは戸外に置くとよいでしょう。

【葉摘み】

新しい葉を増やしたり花芽をつきやすくしたりするために、葉摘みを行うことが大切です。

指でつまんで軽くひねると節からきれいにつまめます。

摘み取った葉は挿し芽に使うとよいでしょう。

■春:3~4月、気温10度以上になったら、株形を整え新しい葉を増やすために、根本から3~5節残して上部を摘み取ります。

■秋:9~10月には、淡い色の若い芽を摘み取ります。若い芽には花芽がつかないので若い芽をつんでおくと、多くの花芽がつきやすくなります。

【水やり】

クリスマスカクタスの育て方の大事なポイントは、乾燥気味に育てることです。

成長段階に応じて水やりをするようにしましょう。

 

■生育期(春4~7月中旬):休眠からさめて生育がさかんになるので、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。

 

■生育緩慢期(7月末~9月中旬):クリスマスカクタスは真夏の暑さが苦手で、生育が緩慢になるので水やりは控えめにしてください。

土の表面が乾いて数日してから水やりをします。

 

■生育熟成期(9月末~秋の葉摘みまで):生育期と同じように土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えましょう。

 

■花芽形成期(秋の葉摘み~2週間):秋の葉摘みをしたら、花芽の形成を促すために一切水を与えないようにしてください。

 

■花芽生育期:花芽が米粒くらいの大きさになったら、水を切らさないようにして土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。

 

■休眠期(花後~春):ほとんど生長しないので、水やりは月に1~2回程度におさえます。

与えすぎると根ぐされをおこすので注意が必要です。

クリスマスカクタスの花言葉

クリスマスカクタスの花言葉は、「美しいながめ」「愛される喜び」「一時の美」「冒険」「波乱万丈」などです。

花が咲いていないときとのギャップから花の瞬間的な美しさを讃える言葉、ブラジルの高山原産ということから遠い異国を思う言葉が生まれました。

まとめ

甲殻類のシャコやカニ脚を想像させる葉っぱをもつクリスマスカクタスですが、その葉姿に似合わない美しい花を咲かせます。

花が少なくなる寒い時期、またクリスマスの時期を華やかに彩ってくれる花のひとつです。

上手に管理してきれいな花を咲かせましょう。

(ライター sensyu-k)