ファレノプシスという植物を聞いたことがありますか?
実は、コチョウランのこと。今回はファレノプシスについてのお話です。
ファレノプシスの特徴
ファレノプシスは別名をコチョウランともいい、ラン科バンダ亜科コチョウラン属に分類される植物です。
フィリピンから台湾にかけての東南アジアに分布し、約50種類ほどあります。
昼夜の気温差が大きく、高温多湿な森林内で風通しの良い場所に自生します。
種としてのコチョウランは東南アジアに分布する大きな平たい葉を持つ着生ランです。
多年生の着生植物で、単軸性のランで茎はごく短く直立し、上には4枚程度の葉を密生し、下方からは多数の太くてよく伸びる根を張ります。
葉は二列性で折り重なって生じ、楕円形から長楕円形で表面は緑色です。
ファレノプシスの花
花茎は茎の側面から伸びて斜めに上がり、先端部分は垂れ下がります。
長さは50~80㎝で時には分岐し、先端に十数個の花をつけます。
花は白色で径は7㎝程になり、側花弁が幅広く、花全体が丸く見えます。
唇弁は黄色を帯びて赤味のある斑紋が出ます。唇弁の先端は左右に突き出して巻きひげ状になります。
ファレノプシスの原種
一般的に園芸店で販売されているものは品種改良された交配種です。
花の色はもちろん、花姿や大きさなど様々なタイプのものがありますが、原種はそれらの品種は一味違った野性味あふれる魅力があります。
代表的な原種には次のようなものがあります。
アマビリスはオーストラリア北部が原産で花茎がアーチ上に伸びて10輪から多い時では20輪の花を一斉に咲かせます。
花の色は白色で、花の一つの大きさはそれほど大きくはなく、可愛らしい雰囲気がある品種です。
アフロディーテは白花の代表的な品種です。フィリピンや台湾が原産で、白花グループの交配親として有名です。
ビオラケアはスマトラ、ボルネオが原産で1本の花茎から一度に咲く花は1~2輪ずつですが、夏から秋の間に次々と花を咲かせます。
また、状態が良ければ数本の花茎をだすこともあり、花は花びらの分厚い星形をしています。
花の縁辺は黄緑色で、中心部分が赤紫色という独特な花が魅力の品種です。
シレリアナはフィリピンゲン原産で淡い桃色の花を咲かせます。
ピンク、赤色グループの重要な交配親です。
ギガンテアはスマトラ原産の品種で、ファレノプシスの中で最大級の種と言われています。
葉の一枚の長さは最大で1mにも達し、大きく舌のように垂れ下がる自生の少ない希少種です。
エックエストリスはフィリピンの原産で白や淡い紅ピンクの小さな花をたくさん咲かせます。
小輪た花性の交配種の親として活躍しています。
ファレノプシスの育て方
ファレノプシスは直射日光の当たらない明るい場所で管理します。
直射日光は苦手ですが高温には強い為、35℃位の室温には耐ええます。
風通しが良く、特に春から秋の生育期は風通しのよい日陰に吊るして育てるのがベストです。
多くの品種は冬に芽をつけ春に開花します。
5~9月の生育期には植え込み材料の表面が乾いているようならたっぷりと水を与えますが、水の与えすぎには注意しましょう。
冬期には植え込み材料が乾くのも生育期に比べると時間がかかるので、水やりの回数に気をつけます。
肥料は液体肥料を与えますが、時期は細かな根が生えてきた頃。1週間に1回程度を9月いっぱいまで与えます。
花が咲くと花の重みで花茎がだらしなく舌に向くことがあるので、支柱をして花のバランスを保ちます。
花茎の先端は折れやすいので扱いには注意が必要です。
花が終わって枯れてきたら、花茎を切り落とします。
この時に花茎を根元から切り落とさずに、先端から3分の1程度の所で切り落とすと花茎の節から再び新しい花茎が伸びて、2番目の花が咲きます。
3月頃にこの作業を行うと2番花は7月頃に咲きます。
ナメクジやカイガラムシ、軟腐病などには注意が必要です。
高温多湿を避けるようにし、風通しを良くしましょう。
(ライター ナオ)