みなさんは、バッタの鳴き声を聴いたことがありますか?
コオロギやスズムシならわかるけど…バッタって鳴くの?とお思いの人もいるでしょう。
じつはバッタ、種類によって様々な鳴き声を出すのです。
今回はそんな鳴き声を、種類ごとに紹介していきたいと思います。
バッタの鳴き声のメカニズム
「鳴き声」とは言っても、哺乳類のように口から声を出して鳴いているわけではありません。
それでは一体、どのようにして鳴き声を出しているのでしょうか?
コオロギやキリギリスの仲間は、翅同士をこすり合わせて音を出すというのは、よく知られていますよね。
しかし、バッタの場合は少し仕組みが違うのです。
バッタは主に、後足の内側にあるヤスリ上の歯を、翅の表面についている翅脈とこすり合わせて音を出します。
仕組みとしては楽器の「ギロ」と同じようなものと考えれば良いでしょう。
小さな虫の翅や脚から、あんなに響き渡る音が出るなんてなんだか不思議な気がしますね。
バッタはどんな鳴き声?
ショウリョウバッタ
ショウリョウバッタは「チキチキ(キチキチ)バッタ」という別名があるように、「キチキチキチ…」という鳴き声を発しながら飛ぶことで有名ですね。
メスの方が大きく印象的ではありますが、鳴き声を発するのはオスです。
トノサマバッタ
ショウリョウバッタほどではありませんが、「キチキチキチ…」とうい音を出します。
ヒナバッタ
ちょっとセミの鳴き声にも似た、「ジキジキジキ…」という鳴き声です。
ナキイナゴ
バッタの中では最も発音の仕組みが発達しており、よく鳴きます。
鳴き声は「ジャジャジャ」「シャカシャカ」など、楽器の「ギロ」に似ています。
音が出る仕組みは基本的に一緒なので、どの音も似たように聞こえますが、よーく聞くとそれぞれの違いが分かります。
鳴き声だけで種類が特定できるようになれば、立派なバッタ博士ですね!
バッタの仲間たちの鳴き声
鳴く虫と言えば、バッタよりもその仲間であるキリギリスの方が有名ですね。
しかし、どの虫がどの鳴き声の主なのかよくわからない、という人も多いでしょう。
ここでは、キリギリスの鳴き声についても、少し紹介してみたいと思います。
キリギリス
見た目はバッタとよく似ていますが、音が出るメカニズムは違うので、鳴き声も「ギー、チョン」と特徴的。
あまりきれいな鳴き声とは言えないけれど、特徴的なのでよく耳につきます。
ウマオイ
ウマオイもキリギリスに負けず劣らず、変わった鳴き声の持ち主です。
「スイーッチョン」という鳴き声は、童謡「虫のこえ」にも登場しますが、昔は「スイッチョンってなんだ?」と不思議に思っていました。
実際に鳴き声を聴いてみると、本当にスイーッチョンと鳴いていて驚いたのを思い出します。
クビキリギス
良く響く「ジーーーーーッ」という鳴き声を出す虫です。
あまりきれいな音ではないのにやけに耳につき、クビキリギスの鳴き声がうるさくて眠れないという人もいるほど。
クサキリ
クビキリギスとよく似た見た目で、同じような「ジーーーーーッ」という鳴き声を発します。
クビキリギスより体は少し小さく、鳴き声も小さいのが特徴。
ツユムシ
「ジジジ」「キキキ」と小さな音で鳴きます。
よーく耳を凝らさなければ聞こえないかもしれません。
バッタの鳴き声についてのまとめ
バッタやその仲間たちは、種類によって様々な鳴き声を発することが分かりましたね。
普段は鳴き声なんて気にも留めない、という人も、いちど目を閉じてじっくりと虫たちの声を聞いてみてはいかがですか。
この鳴き声はなんだろう?癒されるな、いや逆に耳につくな、など新たな発見ができるのではないでしょうか。
(ライター もんぷち)