なんとも縁起の良さそうな名前の「福寿草」。

この花を育てていれば、何だか福が舞い込んできそうですよね。

 

しかし、名前は知っていても具体的にどんな花なのか?ということを知らない人も多いかもしれません。

そこで今回は、福寿草の生態や花などについて、詳しくまとめてみたいと思います!

福寿草ってどんな植物?

福寿草の原産地は、日本、中国、朝鮮半島、シベリアなど。

国内では北海道から九州にかけて広く分布しています。

主に山林に生育しているので、都会育ちの人にはなじみがないかもしれませんね。

(私はわりと田舎育ちなのですが、今まで見かけたことがないかも…。)

 

しかし、自生しているものだけではなく、古くから園芸植物としても親しまれているのです。

その歴史は古く、江戸時代から多数の園芸品種が作られていたと言われています。

 

そんな身近な存在である福寿草ですが、じつは恐ろしい一面も。

じつは毒性があり、食べると最悪の場合死に至ることもあるのです…。

 

芽が出たばかりの福寿草はフキノトウ、若葉はヨモギと間違えて誤食しやすく、食べると嘔吐や呼吸困難を引き起こし、酷いと心臓麻痺を起こす危険性があるので、注意しましょう。

 

この毒性の元である「アドニン」という成分には、強心作用や利尿作用があり薬として使われることもあります。

使い方によって毒にも薬にもなるということですね。

ただし、前述したように毒性による副作用は決して弱くないので、素人が軽率に手を出してはいけません。

福寿草ってどんな花が咲くの?

福寿草は、大きさ3~4㎝ほどの小さく黄色い花を咲かせます。

茎は短いですが、花だけ見ると少しタンポポに似ていますね。

 

この花は少しお椀型のようになっていますが、じつはこれが重要な役割を果たしています。

その役割とは…お椀型になった花弁を使って花の中心に日光を集め、その熱で虫たちをおびき寄せるのです!

 

そのため、日が当たると花が開き、日が陰ると花が閉じるという習性が。

確かに、寒い冬にあったかそうなスポットがあったら、フラフラと寄って行ってしまいますよね…。

 

福寿草の花は、虫たちにとって天然のストーブと言ったところでしょうか。

福寿草の開花時期は1月から4月。

 

かつての旧正月(2月頃)に咲くことから、新春を告げる花として「元日草(ガンジツソウ)」や「朔日草(ツイタチソウ)」といった別名もあります。

「福寿草」という名前も、新年に幸せと長生きを願う花という意味が込められているそうです。

正月を祝う花ならば、これくらい目出度い名前じゃないと、インパクトがないですよね。

花が咲き終わり夏になると、次第に地上部の葉や茎なども枯れていきます。

 

ただし、完全に枯れてしまったわけではないので、1月頃になると再び花を楽しむことができますよ。

お正月になると、寄せ植えなどでよく売られているので、そういった機会に購入してみるのもいいかもしれませんね。

しかし一つ気を付けなければならない点が…。

 

福寿草の根はまるでゴボウのように太く長いのですが、正月用の小さな鉢に入れられているものは、根を大きく切り詰められている可能性があります。

そういったものは、一度花を咲かせると衰弱し、そのまま枯れてしまうことも。

ですので、どうせ買うなら大きくて深さがある鉢に植えられたものを選びましょう。

福寿草についてのまとめ

福寿草は国内にも自生している植物なので、栽培も簡単かと思いきや…じつはそれなりに上級者向けです。

管理場所一つとっても、好むのは「落葉樹林の下、明るい木漏れ日のある場所」…。

 

一般家庭の庭でそれを再現するためには、しっかりと場所を吟味しなければなりません。

それなりに手間はかかりますが、無事に花が咲くとなんだか福を運んできてくれそうですよね。

(ライター もんぷち)