ベニバナツメクサという植物をしっていますか?
可愛らしいビジュアルに、栽培したことのある人も多いのではないでしょうか?
今回はそんなベニバナツメクサについてご紹介します。
ベニバナツメクサの特徴
ベニバナツメクサはマメ科トリフォリウム属に分類される多年草で、原産地はヨーロッパから西アジアにかけての地域。
日本へは明治時代に牧草として移入してきたのが始まりです。
ストロベリーキャンドルやストロベリートーチ、ベニバナツメグサ、オランダレンゲなどの別名もありますが、正式名はクロムソンクローバーと言います。
葉は3枚の小葉からなる複葉で、互生します。
先端が浅く凹んで、両面に長い毛が生えるのが特徴です。
冬は寒さに耐えるので、葉を低く地面に這うように広げ、越冬させます。
ベニバナツメクサの花
ベニバナツメクサの草丈は20~60㎝程です。
春に茎をのばして先端部分に径6~8㎜程のトーチ上の細長い濃い紅色の花をつけます。
その花姿から、ストロベリーキャンドルの名前がつきました。
蝶形の花が円錐形に集まって咲きますが、花期は日本では4~6月と短めです。
白い花の品種もあり、緑肥植物として栽培されることもあります。
園芸店などでは、2~4月に市販されています。
ベニバナツメクサの栽培
ベニバナツメクサは日当たりと風通しの良い温暖な場所ならどこでも栽培できます。
肥料を与えたり、特別な水管理をしなくても横に広がり、翌年からはこぼれ種が芽を出して、野生化していくことも少なくありません。
ただ、日陰で栽培してしまうと花付きが悪くなります。
また、耐暑性や耐寒性がないので、暑すぎる場所や逆に-2度を下回るような場所では枯れてしまうこともありますが、ある程度の寒さに充てることは花が咲く条件にもなってきます。
適度な環境を見つけて栽培することがポイントです。
庭植えなどでは、刈り取って土に漉き込んでしまえば、土壌改善にもつながります。
シロツメクサとの違い
花が咲いてしまえば、シロツメクサとの違いは一目瞭然ですが、花がつくまでの間はほとんど見分けがつきません。
シロツメクサに四葉があるように、ベニバナツメクサにも時に四葉のものがあります。
幸運のしるしに見つけてみるのも楽しいものです。
ベニバナツメクサの利用
ベニバナツメクサは切り花として利用されることもあります。
水揚げを上手に行えば、長く楽しむことが出来ますし、ハーブとして利用される品種もあります。
マメ科の植物の特徴
クローバーはよく緑肥として使われます。
ベニバナツメクサも同様な使われ方をしますが、これは一体どういうことかご存知でしょうか?
マメ科の植物の根には根粒菌という細菌が共生しています。
根粒菌は植物からリンゴ酸などの効率の良い栄養分をもらって、生活の場を提供してもらう代わりに、大気中の窒素を植物にとって使いやすい硝酸塩に転換する役割をしています。
窒素は植物にとっては必須元素のひとつで、肥料としても取り入れる必要のある成分です。
気体には豊富な窒素が存在しますが、これらの窒素は一部の細菌と雷などでしか、使用可能形態に転換することが出来ません。
その一部の細菌のひとつが根粒菌というわけ。
根粒菌と共生するマメ科の植物は自ら肥料を作ることができるので、肥料っ気のない痩せた土地でも丈夫に育つことが出来るのです。
帰化植物の中にマメ科の植物が多いのも、こうした理由があるからだと考えられます。
ベニバナツメクサの花言葉
ベニバナツメクサの花言葉は「私を思い出して」「胸に灯をともす」「きらめく愛」「素朴な愛らしさ」「善良」「人知れぬ恋」です。
花の形や野生の環境で咲いているという特徴が由来のものが多く見られます。
(ライター ナオ)