鑑賞用としてだけではなく、食用としても利用されている「ツワブキ」。

和風の庭園などでもよく見かけますね。

しかし葉の形や大きさなど、何だか微妙に違うものがあるなと思ったことはありませんか?

それもそのはず、ツワブキには様々な園芸品種が存在するのです。

そこで今回は、ツワブキの生態や種類などについてまとめていきたいと思います。

ツワブキの生態

ツワブキは中国、朝鮮半島、台湾などに分布している植物で、日本でも広い範囲に分布しています。

海に近い海辺や低地から山地にかけての日陰にも多く自生。

 

草丈は20㎝~1mほどです。

名前の由来には諸説あり、「艶葉蕗(つやはぶき)=艶のある葉を持ったフキ」であるという説や、「厚葉蕗(あつはぶき)=厚い葉を持ったフキ」という説もあります。

 

こういった植物の名前の由来は、言葉遊びのようで面白いですよね。

名前の由来からも分かる通り、ツワブキの特徴は何と言ってもその大きな葉。

大きさは直径20㎝前後もあり、表面が艶々としています。

 

この艶が潮風から葉を守る役割を果たしており、そのため海のそばでも育つことができるのです。

多年草であり、日陰でも何年も良く生きる植物なので、庭園の下草などにも良く利用されていますね。

葉のイメージが強すぎて、どんな花が咲くのかあまり印象に残らないツワブキ。

 

ツワブキの花の開花時期は10月下旬から12月頃で、3~5㎝ほどの黄色や白の花を咲かせます。

大きくたくましい葉と小さく儚げな花の対比が面白く、人によってはまるで別々の植物のように見えるかもしれません。

 

日陰でも育ちますが、日向では育たないというわけではありません。

日向または明るい日陰がベストです。

 

強い直射日光や西日は葉が焼けてしまうので、気を付けましょう。

(特に斑入りの品種は、白い部分が茶色くなってしまいます。)

 

地植えの場合は特に水やりの必要もありませんし、耐寒性もあるので育てやすい植物です。

冬でも葉が緑のままの「常緑多年草」なので、緑の少ない冬場の貴重な彩りとして、重宝するのではないでしょうか。

我が家でも日当たりの悪い裏庭に何を植えようか迷っていたのですが、一つはツワブキに決定しました!

ツワブキの種類

ツワブキは、品種によって花の色や形、葉の色や形が大きく異なります。

野草というイメージが強いですが、園芸品種のバリエーションも豊富なんですよ。

 

和風・洋風問わずどんな庭にも似合いますし、あなたにピッタリの品種が見つかるといいですね。

ここからはいくつか品種を紹介していくので、参考にしてみてください。

浮雲

ツワブキの園芸品種の中でもポピュラーな種類です。

大きく白斑模様が入るので、日陰でもよく目立ち、迫力があります。

天星

名前の通り、まるで星をちりばめたように、黄色く細かな斑点が特徴的な品種です。

季節や気候によって模様の入り方は変わりますが、初夏頃が一番美しいと言われています。

牡丹獅子

「獅子葉」と呼ばれる、葉のふちがレースのように波打っている品種です。

まるでリーフレタスのようで、何だかちょっと美味しそう。

他の獅子葉の品種の多くが、この牡丹獅子から改良されて作られています。

大獅子

こちらも牡丹獅子と同様に獅子葉の品種ですが、葉の波打ち方が特徴的。

非情に細かく波打つので、パッと見はリーフレタスどころかパセリのようにも見えます。

浮雲錦

歴史の古い品種で、江戸時代から存在すると言われています。

不規則に入る白斑模様が美しく、しかも環境適応力が高いのが特徴です。

 

このようにツワブキには様々な種類が存在しますが、どれも名前が素敵ですね。

他にも、「満天の星」「天の川」など面白い名前の品種がたくさんあります。

見た目ではどれにしようか迷ってしまう…という人は、いっそのこと名前のかっこよさで決めるのもいいのではないでしょうか。

ツワブキについてのまとめ

ツワブキは見て楽しい、食べて美味しい一石二鳥な植物です。

ただし、ツワブキにはピロリジジンアルカロイドという毒が含まれているので、必ずアク抜きをして食べてください。

 

毒といってもそんなに強力なものではないので、しっかりとアク抜きをして食べる量にさえ気を付ければ心配はいりません。

炒め物や佃煮などにすると絶品ですよ。

(ライター もんぷち)