ベンケイソウという名前の植物を知っていますか?
ちょっと気になるこの名前。その由来や花について詳しく見ていきます。
ベンケイソウの特徴
ベンケイソウはベンケイソウ科に分類される低木です。
葉が厚く、切り取ってしばらく置いておいてもしおれず、土に挿すと根が出て元気よく育つ様子が、弁慶に例えられて名前がついたと言われています。
また、別名のイキクサも同様で生命力のある様子が表現されているのだそうです。
原産は日本、中国、朝鮮で多肉質な多年草です。
日本では本州および九州、それに朝鮮半島に分布しています。
山地の陽当たりの良い草地に生え、高さは30~80㎝ほどになります。
葉は卵形から楕円形で対生、または互生していて縁にはまばらに鋸歯があります。
9~10月頃に茎のてっぺんにいくつもの房になった花をつけ、淡い紅色の花を咲かせます。
花弁は5個でおしべは10個ほど。
花が枯れた後には多数の小さな種子が作られ、風によって散布されます。
ベンケイソウの歴史
かつて明治時代にオオベンケイソウという植物が渡来するまでは園芸植物として重宝されていた植物ですが、今では一部の山岳地域などを除いてほとんど栽培葉されていません。
平安時代に渡来し、平安の辞書にも載っています。
中国では4世紀ころからすでに鉢に植えられ、栽培されていて、水分の多い多肉質の葉をもつベンケイソウの葉を火を防ぐお守りとしていたと考えられています。
また、火傷や目をよくするなどとも言われています。
多くのベンケイソウ属
ベンケイソウ科は約33属、1400種類があると言われています。
ンケイソウ属にはキリンソウやミセバヤ、イワレンゲなどがあり、園芸種としてはオオベンケイソウが一般的です。
オオベンケイソウは大きな株にたくさんの星形の花と、卵形か楕円形で粉を吹いたような多肉質の葉を持っています。
夏から秋にかけて紅色の小さな花が茎の先端に集まって花序をつくり、美しい花を咲かせます。
こちらもベンケイソウと同じく繁殖力がとても旺盛で1枚の葉から芽をだして、根を張るほど丈夫な植物。
石垣やロックガーデンなどに利用されています。
草丈は30~70㎝、開花期は7~10月頃です。
ミセバヤは3枚の多肉質の葉が輪生している10~11月頃に小さな小花が密生し下垂する植物です。
花は雄しべが長いのでふんわりとケブル用に球状の花序を作ります。
白っぽい青緑の葉は晩秋から冬にかけて美しく紅葉し、鉢植えとしてとても楽しめる品種です。
他に有名なところで言うと、セイロンベンケイソウやコダカラベンケイソウなどが挙げられます。
コダカラベンケイソウは淡いピンクの大き目の花をつけ、背が高くなるので支柱などを使って支えて管理する必要があります。
ベンケイソウの花言葉
ベンケイソウの花言葉は「穏やかな」、「信じて従う」、「静寂」、「機転がきく」です。
ベンケイソウノ栽培
ベンケイソウは過失に弱く、乾燥に強い多肉植物なので庭での栽培なら水を控えめに死、陽当たりと排水が良ければ栽培は容易に行うことができます。
日陰で多湿の場合は根が腐ってしまうので、水はけのよい用土を使用します。
一般的には鉢植えで育てますが、梅雨から夏は雨の当たらない場所に移しておくのが無難です。
青虫がつきやすいので、薬剤の散布などで事前に予防しておくことをオススメします。
ベンケイソウノまとめ
ベンケイソウとは大層な名前のついた花。
華やかさも持ちながら、しっかりと生命力に溢れている様子は、確かに歴史に残こる人物の名前に相応しい気がしてきます。
花言葉も地味にオシャレ。
普段はあまり目にしないベンケイソウですが、その美しさと逞しさに目を向けて、栽培してみるのも良いかもしれません。
(ライター ナオ)