みなさんは「ヒモゲイトウ」という植物を知っていますか?
見たことも聞いたこともない、と言う人も多いのではないでしょうか。
私も、全く知らない植物でした。
ヒモゲイトウという名前からして、何となく「ヒモ状の植物かな?」というのがかろうじて想像できるくらいです。
そこで今回は、ヒモゲイトウという植物の生態などについて調べてみました。
ヒモゲイトウの生態
ヒモゲイトウは、熱帯アメリカが原産の植物。
漢字では「紐鶏頭」と書き、その名の通り鶏のトサカのような花がひも状にぶら下がるようにして咲く、面白い姿をしています。
花の色は赤紫や緑。
日光と暑さに強く、特に夏の西日がよく当たるような場所の方が花の色が鮮やかになる性質があります。
さすが熱帯の植物ですね。
夏の西日ガンガンな場所で育つ植物って、なかなかないと思います。
ヒモゲイトウは乾燥に強いのであまり水もいらず、肥料もほとんどいりません。
水やりは雨で十分ですし、日照りが続くようならたまに水やりをする、くらいで大丈夫です。
ただ、鉢植えの場合は水切れが早くなるので、表面が乾いたら水をやるようにしましょう。
草丈は1.5mほど。
気温が上がるとどんどん成長するので、ある程度の大きさになったら支柱を立ててあげてください。
開花時期は8~10月頃で、花は長期間楽しむことができます。
園芸用の他に、切り花やドライフラワーとしても利用されています。
ちなみに、花言葉は「心配ご無用」「粘り強い精神」「不老不死」「不滅」など、ちょっと面白いラインナップ。
花の形状からしても、花言葉からしても、あまりプレゼントなどに向いている花ではないようですね。
スーパーフードとしてのヒモゲイトウ
じつはヒモゲイトウ、スーパーフードとしても注目を集めているのです。
ヒモゲイトウの学名は「アマランサス」。
スーパーフードとして有名なのはこちらの名前の方ですね。
流行や美容に敏感な人は聞いたことがあるかもしれません。
ヒモゲイトウの花の後にできる種子が、巷で「アマランサス」と呼ばれている食べられる部分になります。
たんぱく質は白米の2倍、そして豊富なビタミン類や抗酸化物質を含み、免疫力の向上・アンチエイジングなどの効果があると期待されているのです。
また、白米よりも3倍以上消化が良いとも言われており、WHO(世界保健機構)に「未来の食物」と称されるほど。
特に女性にとっては、不足しがちな鉄分や亜鉛、食物繊維なども含まれるので、ぜひ食べてほしい食品ですね。
その栄養素が注目され始めたのは最近ですが、じつは世界でも日本でも、古くから食用としてきた歴史はあるのです。
古くは古代南米のインカ文明、そして日本でも東北地方などで食用として栽培されていました。
食べ方は、白米などと一緒に炊いたり、ヨーグルトやサラダに交ぜて食べるのが一般的なようです。
ただし、未加熱のものは消化が悪いので、ヨーグルトなどに入れる場合でもレンジでチンをするなど、火を通してからにしてください。
味はあまりありませんが、独特のえぐみと香りがあるので、苦手な人は苦手かもしれません。
白米と一緒に炊く場合は、チャーハンや丼物など、何か味やにおいが誤魔化せるような調理法で食べるとあまり気にならないようです。
食感はプチプチとしていて、魚卵に近いんだとか。
健康や美容を意識している人は、ぜひ一度食べてみてください。
自分で育てたヒモゲイトウから採ったものが食べられるか…というのはちょっとわかりません。
ヒモゲイトウについてのまとめ
ヒモゲイトウは花単体を見ると、美しいとか華やかというよりも「変わった花」というイメージが強いです。
しかし全体を見ると、たくさん鈴なりに垂れ下がった花がとても美しく、風流ですね。
暑い夏の日でも、ヒモゲイトウを見ると少し涼やかな気分になれるかもしれません。
(ライター もんぷち)