スーパーフードという言葉が使われはじめて久しいわけですが、アマランサスはどんな穀物なのでしょうか。

アマランサスについて

アマランサスは、ヒユ科ヒユ属の一年生の草木です。

ヒユ科には面白い植物が多く、コキアもその仲間ですね。

ヒユ科の花として他に千日紅などがあります。

 

アマランサスも赤い葉鶏頭のような植物で、その種子がアマランサスとして食用になっています。

原産地は南米とされています。

 

現代の主な生産国は南米ペルーです。

インカ帝国時代には、重要な穀類のひとつとして栽培されていたようです。

 

穀実用としては、センニンコク、ヒモゲイトウ、スギヒモゲイトウがあるようです。

アマランスという植物は、夏目漱石の『それから』に少し出てきます。

代助が鉢植えのアマランスを育てているのです。

 

アマランスはしおれない、しぼまない、というギリシア語が由来だそうなので、ぴったりですね。

『それから』の執筆は明治42年頃です。

 

鉢植えのアマランサスは、鑑賞用として江戸時代には日本に伝わっていたようです。

アマランサスの開花時期は、6月から10月頃です。

 

東北地方などで栽培されており、国産のアマランサスもあります。

主な産地は岩手県です。アマランサスは赤粟といわれ、昔東北地方などで栽培されていた事があるようです。

アマランサスの栄養について

食用のアマランサスの特長は、グルテンフリーであり血糖値の急激な上昇を抑えられること、アレルギー反応が少ない事だそうです。

アマランサスは皮が柔らかく、丸ごと食用として摂取できる事が魅力のひとつです。

主な栄養成分はカルシウム、マグネシウム、リン、鉄分、亜鉛、ビタミンB群など。

また、たんぱく質が豊富であり消化によく、植物ステロールは悪玉コレステロールや中性脂肪を下げる働きがあるとされています。

 

特筆すべき栄養素としては、体内では合成できない必須アミノ酸を含んでいる事です。

たんぱく質を合成するには、一定量の必須アミノ酸が必要です。

 

中でもトリプトファンは、良質な睡眠に関係するといわれています。

アミノ酸はたんぱく質のもとになるものでもありますから、髪の毛、お肌などが気になる場合にも良さそうですね。

 

また、不溶性食物繊維が多く含まれているので、水溶性食物繊維を含む海藻や豆類と組み合わせて摂取するのもいいかも知れませんね。

葉酸も多く含みますが、キヌアと違いエストロゲンのような作用を持つ成分は含みません。

 

全体的に、血糖値やコレステロールの値が気になる人、健康的になりたい人に向いているようですね。

栄養素はバランス良く摂る事でその効果を発揮します。

アマランサスの一日の摂取量は100g程度とされています。

 

100gの総カロリーは358kcalだそうですよ。

白米は100gあたり368kcalです。

アマランサスは栄養価が高い事から、虫が付きやすいようです。長期間保管する際には気をつけましょう。

アマランサスの注意点など

そんなに多量摂取する事はないようにも思いますが、アマランサスは食物繊維が豊富なため、人によってはお腹が痛くなる事も稀にあるようです。

確かに雑穀の一種とはいえ、アマランサスは種子です。

なんでも多く摂ればいいというものでもありませんから、個人の適量を把握して摂取しましょう。

 

調理法はご飯に混ぜて炊くのが手軽です。

ちなみにスープに入れてもプチプチして面白いですよ。基本的に火をきちんと通せば大丈夫です。

アマランサスについて

健康や美容に対する関心は年々加熱するばかりです。

アマランサスも比較的新しく出てきた食品のようでありながら、実は日本で栽培されていたようでもあり、もとをたどればアステカやインカ帝国まで遡る事になります。

 

面白い現象ですね。思うところあり、随分前から雑穀のような食品はいろいろと試してきましたが、最近すっかり忘れていたのでまた試してみようかな、と思いました。

(ライター:おもち)