猫は、狭義には食肉目・ネコ科・ネコ属に分類されるヨーロッパヤマネコが家畜化されたイエネコに対する通称です。
ここでは狭義の猫(イエネコ)とその知能について紹介します。
猫の生態
猫(イエネコ)の起源は、ネズミを捕獲させる目的で飼われ始めたヨーロッパヤマネコの家畜化です。
ヨーロッパヤマネコの亜種とされることもあります。
ヨーロッパヤマネコの学名をより記載の早いイエネコと同じ「Felis catus」とする説もありましたが、2003年に「F. catus」はイエネコのみを指す学名として、野生種の学名は「F. silvestris」を引き続き使用することになりました。
ちなみに広義の猫は、ネコ科の一部、あるいはそのすべての包括的分類を指し、家畜種のイエネコに加えて広義のヤマネコ類も含みます。
特に学術用語としては、英語の「cat」と同様、トラやライオンなどといった大型種を含むすべてのネコ科動物を指します。
猫(イエネコ)の祖先は、およそ13万1000年前に中東の砂漠などに生息していた亜種リビアヤマネコです。
ネコは、農耕の開始に伴い、ネズミの害から穀物を守る番人として家畜になりました。日本には、奈良時代に倉庫の穀物や経典類の番人として輸入されたと考えられています。
猫(イエネコ)の体の大きさは、現生するネコ科のほかの動物(ライオンや虎など)に比べて小さく、体重は2.5~7.5キロの範囲に収まるものが多いです。
大型のものでも体長(頭胴長)75センチ、尾長40センチ、肩高35センチです。
ちなみに、猫(イエネコ)は、1歳くらいになると生殖可能年齢を迎え、7歳あたりから高齢期に差しかかります。20歳を超えると長寿とされます。
猫の知能
猫の知能は、大ざっぱには人間の2~3歳といわれています。
ただ、猫に限ったことではありませんが、動物の知能は得意なことと苦手なことがハッキリしているので、人間の2~3歳とまったく同じというわけではありません。
特に猫の知能に関する研究は、ほかの動物に比べて、まったくと言っていいほど進んでいないので注意が必要です。
研究が進んでいない理由は、犬などに比べて訓練しにくく、また、人や犬とは異なる行動原理で動いているからです。
猫の認知能力は低い
たとえばロープに食べ物を結びつけ、引っぱると箱から取り出せる装置を作ります。
そのロープを引っぱって食べ物をゲットするように、猫を訓練したとします。
そこでロープの数を増やすと、猫は増やした分だけ、すべてのロープを引っぱります。何度やってもすべてのロープを引っぱります。
つまり、最初のロープにだけ食べ物が結びついていることを、猫は推測できないのです。
ちなみに、犬はこの問題をあっさりクリアします。
猫は3次元空間の把握能力が高い
猫は、ジャンプして戸棚に上がるときに、実際には見えない棚の上の状況を記憶しています。安全な場所にしか飛び乗りません。
一度通ったことがある道から、最短距離を計算することもできます。
また、入り組んだ立体的な空間でも迷うことはありません。
猫の判断は速い
猫は自分より手強そうな相手が現れると、即座に逃げる体制をとります。
猫の警戒心は高い
猫に薬を飲ませることは大変です。
食事に混ぜても些細な違いに気づいて警戒します。
猫の記憶力は良い
動物病院での注射など嫌なことに関しては、たとえ子猫のときのことでも、一生覚えています。
猫のその他雑学など
ここでは狭義の猫(イエネコ)について紹介しましたが、広義の猫には、以下のような動物が含まれています。
- ヤマネコ(野生の小型ネコ科動物の総称)
- ライオン
- 虎
- ヒョウ
- ジャガー
- チーター
- オオヤマネコ
- ピューマ
- ボブキャット
なお、ネコ科のすべての種は捕食動物(プレデター)であるため、狩りに適した身体的特徴を持っています。
猫のまとめ
以上、猫とその知能についていかがでしたか?
猫は人間と考え方が大きく異なるので、その知能を正確に測るのは難しいようです。
気まぐれでワガママに見えますが、実は彼らなりの理屈で、論理的に行動しているのかもしれません。
(ライター ジュン)