頭の良い鳥の代表、カラス。

私たち人間をもあざ笑うかのような行動に、びっくりさせられることもしばしばです。

そんなカラスですから、天敵なんていないのでは!??

カラスの生態

カラスはカラス科に分類される鳥、世界中に色々な種類が生息しています。

カラス科には私たちの良く知る黒いカラスの他にも、カケス類やサンジャク類、オナガ類、カササギ類等が含まれます。

また、カラス=黒というイメージが強いですが、黒一色ではないカラスもいます。

 

ユーラシア大陸に広く分布しているのはハシボソガラスで、東、南アジアにはハシブトガラスが分布しています。

日本にはこの2種類のカラスが生息しているのですが、一般的にはこの2種類を分けて考えることはないようです。

 

他にも渡り鳥として北海道にワタリガラス、九州にはミヤマカラスやコクマルガラスが冬鳥として飛来します。

知能が高く、社会性を持っていて、互いに協力したり、鳴き声による意思の疎通を行います。

 

滑り台を滑って降りたり、雪山を滑ったりといった遊戯行動をすることも知られており、人間の次に知能が高いとも言われています。

4色型の色覚を持っていて、色を識別することが出来ます。

 

RGBに加え、紫外線も識別することができ、その視力はとても優れていると言えます。

人間の個体識別や哺乳類の種類もしっかりと見分けているといわれ、特定の個人に懐いたり、攻撃したりといったこともしてしまいます。

 

食性は雑食で、都会のカラスは生ごみなどを漁ります。

他には昆虫、小動物、果実、種子など実に様々なものを食べますが、ハシブトガラスはどちらかというと動物性、ハシボソガラスは植物性が中心です。

 

一夫一婦制で春から夏にかけてが繁殖期。互いに協力して子育てをし、一度の出産で2~5個の卵を産みます。

抱卵期間は20日で、巣立つまでの期間は30~40日と言われています。

 

営巣期間中、カラスたちは縄張り意識が高まり、人間に対しても異常に攻撃的になります。

巣の近くを通っただけで、声を荒げて威嚇したり、それでも遠ざからない場合は頭上近くを跳んだり、髪の毛を引っ張ったりもします。

 

小さい子供などはこの期間、注意が必要です。

巣立ちの後も2~3か月は家族で群れていることが確認されています。

カラスの天敵

頭の良いカラスですが、やはり天敵はいます。

と言っても、彼らの獲物を横取りする一面もあるので、やられる一方という訳ではないようですが・・。

 

カラスの天敵は猛禽類やキツネです。

特に猛禽類のオオタカはカラスが最も嫌う鳥です。

 

くちばしや脚の爪がとても鋭く、滑空速度も速いので、カラスといえども、簡単につかまってしまうのです。

オオタカの捕食の方法はカラスに限らず、実に戦略的です。

 

それは、カラス以上の頭の良さを感じるほど。

獲物を何度も上から落としてダメージを与えて殺したり、水没させて溺死させたり、と捕食する対象によってその狩りの仕方を変えています。

流石のカラスもこんな知力と体力をもったオオタカにはかなわないのです。

カラスの寿命

カラスの寿命は野生下で8~10年程と言われていますが、詳しいことはわかっていません。

飼育下では60年生きたという記録もあり、平均では20~30年だそうです。

カラスの生態と天敵に関するまとめ

ユーラシア大陸に広く分布しているのはハシボソガラスで、東、南アジアにはハシブトガラスが分布。

日本には渡り鳥としてワタリガラスやミヤマガラスが飛来する。

 

一夫一婦制で春から夏にかけての繁殖期には、互いに協力して子育てをする。

カラスの天敵はキツネやオオタカで、特にオオタカを恐れる。

寿命は野生下で8~10年程。飼育下で20~30年、中には60年生きたという記録も残されている。

(ライター ナオ)