寒くなってくると、コタツや暖かい布団の中から出たくない…

このまま冬眠してしまいたい…

というセリフ、誰もが一度は言ったことがあるのではないでしょうか。

 

トイレに行くのすら億劫で、もちろん外になんか出たくないし仕事や学校にも行きたくない。

冬眠をする動物たちが本当に羨ましくなりますよね。

 

しかし、動物たちの冬眠はそんなダラダラとした怠惰なものではありません。

いかにして厳しい冬を乗り切るか、命を懸けた眠りなのです。

今回はそんな冬眠をする動物や、その意味について迫ってみたいと思います。

なぜ冬眠をするのか

私達の周りには、夏だろうと冬だろうといつだって食べ物が溢れています。

しかし、自然界ではそういうわけにはいきません。

冬になると餌がなくなり、そのままだと餓死してしまう危険も。

そこで動物たちは動かずジッと眠りにつき、体温を下げて代謝を少なくし、冬を乗り切ろうとするのです。

 

当然、中には体温が下がりすぎてそのまま凍死してしまったりするものもいます。

つまり、コタツでぬくぬくとみかんを食べながら「冬眠したーい」なんて、笑止千万。

 

動物たちから言わせれば、「甘ったれんな!」って感じです。

爬虫類などの変温動物の場合は、気温に伴って体温も下がるので、強制的に動けなくなります。

 

眠りと言うよりは「仮死状態」に近いですね。

そこで寒くなる前にたくさん栄養をつけておき、冬に備えるのです。

冬眠する動物たち

1.クマ

冬眠をする動物としてよく知られているクマ。

クマは岩のすき間や樹の洞、自分で掘った穴などを使って冬眠をします。

秋になるとたくさん餌を食べて栄養を蓄えておき、冬眠中は一切何も食べず排泄もせず、春まで眠ります。

 

しかし、冬だからと言ってクマに会う危険はないだろうと油断してはいけません。

通常冬眠中の動物は外気温に合わせて5度程度まで体温が下がるのに対し、クマは31度程度。

そのためわずかな物音や振動などでもすぐに目が覚めるので、とても危険なのです。

2.ヘビ

ヘビは土の中や落ち葉の下などに潜って冬を越します。

変温動物なので、外気温に合わせて体温も低下、呼吸も心拍もわずかなものになります。

体温が下がると内臓の機能も低下するので、秋のうちにたくさん栄養をつけ、冬眠中は餌を食べません。

3.カエル

カエルは落ち葉の下や石の下など、比較的浅い場所に潜って冬眠します。

冬になる前にたくさん食べて栄養を蓄えておけば、一度や二度凍ってしまっても氷が解けたら生き返るほどのタフさがあります。

一生を水の中で過ごす種類のカエルは、当然冬眠も水の中で行いますよ。

4.カメ

日本に主に生息している半水棲のカメは、陸地や水中に穴を掘って冬眠します。

水中では眠っている間の呼吸が気になる所ですが、必要な酸素の量も極限まで少なくなっているので、水中に溶け込んでいるわずかな酸素を皮膚呼吸で取り入れるようです。

5.シマリス

シマリスの場合、冬眠と言っても冬の間は一度も起きないわけではありません。

シマリスは体に脂肪を蓄えるのではなく、餌となるドングリなどの木の実を蓄えておき、数日に一度は目を覚まして食事や排せつをするのです。

同じリスの仲間でも、冬眠するのはシマリスだけというのは不思議ですね。

人間も冬眠ができる?

2006年、兵庫県六甲山で崖から落ちて動けなくなった男性が、飲まず食わずで仮死状態に陥り、24日後に救出されたというニュースがありました。

この時の男性は体温が22度、ほとんどの臓器が機能を停止していたにも関わらず、後遺症もなく回復したそうです。

 

体が冬眠に近い状態に陥ったことで、24日もの間生命を維持できたのではないかと言われています。

ということは、少なからず人間も冬眠できる可能性を秘めているということではないですか!

 

現在は事故や病気などで体への酸素供給が減った場合、強制的に仮死状態にすることで脳や体へのダメージを和らげるための研究も行われているそうです。

もしかしたらいつか、お手軽に冬眠できる時代が来るかもしれないですね。

冬眠についてのまとめ

動物たちが厳しい冬を乗り切るための冬眠。

もし冬眠中の生き物を見つけても、むやみに起こしたりはしないでくださいね。

 

起きたものの、体温の低下で動けずエネルギーもなくなり、そのまま死んでしまう場合があります。

人間だって、寒い時に無理やり布団から出されたらいやですもんね。

(ライター もんぷち)