今、地球上の生き物が存在する前、恐竜が生きていた頃の時代に存在していたと言われる最初の鳥、「ディアトリマ」をご存知でしょうか。
今回は、謎の多い「ディアトリマ」についてご紹介します。
ディアトリマが生きていた時代はいつ?
ディアトリマ(=Diatryma)は、新生代最古の時代、暁新世(ぎょうしんせい、約6,600万年前~5,600万年前)という時代から、新世代第二の時代、始新世(ししんせい、約5,600万年前~3,390万年前)にかけて生きていたと考えられています。
ディアトリマの特徴は?
地上を走ることのできる巨大な肉食の鳥類というのが最大の特徴です。
全長は約2メートル(ダチョウも大きめのものは、2~3メートルくらいになります。)、体重は200キログラム~500キログラムと考えられています。
頭は大きく(45センチメートル)、力強い足に爪の生えた足指(指は4本)、肉を割くことのできるワシのような大きいくちばしを持っていました。
ちなみに、ディアトリマのキック力(足の力)は、6トン以上あったのではないかと考えられます。(ダチョウは、4.8トンくらいと考えられます。)
翼は、退化し縮小したが、足の発達により地上を走り回ることが彼らの生きるための最大の強みとなりました。
彼らがいたことで、小動物は脅威を感じていたと考えられています。
当然ながら、小動物だけではなく堅い木の実などの植物も食べていたと考えられていますが、基本的には肉食鳥類と考えられています。
ディアトリマが絶滅した理由は?
恐竜絶滅後、一部の鳥類が恐鳥類として地上へ進出しました。
ディアトリマがいた当時は、ディアトリマが陸上生態系の頂点に君臨していました。
上位に君臨していたが、肉食哺乳類のヒエノドン(Hyaenodon)という生き物が生態系の頂点に立ち、ディアトリマはどんどん衰退していきました。
ディアトリマが、ヒエノドンなどの肉歯目に負けた理由として、鳥たちはまず前足を翼に変え身体を軽量化させていったり、ディアトリマたちは翼を縮小して走るために足を強く進化させていったりしましたが、肉歯目にはあって恐鳥類にはないもの、「歯」や「牙」などを進化させることがなかったからです。
空を飛べなくなり、走ることだけに特化し、力強い足や肉を切り裂くくちばしがあっても、牙や歯には勝てません。
また、哺乳類は胎児をやどしますが、鳥類は卵をかえさなくてはなりません。その子孫でもある卵を食べられてしまうので、そのまま繁栄はできず衰退していったと考えられます。
また、ヒエノドンが登場したことだけではなく小型の肉食獣たちが群れでディアトリマを襲いかかったと考えられ、集団で攻撃されたら流石のディアトリマでも勝つことは難しく、絶滅に追い込まれたと考えられているようです。
ディアトリマが現代の鳥で言うと、どの鳥に似ている?
ディアトリマは、現代の鳥でいうとダチョウやエミューなどが似ているかと思います。
二足歩行で、翼は大きく立派ですが飛ぶ機能はありません。ただ、ディアトリマのような大きいくちばしは持っていませんし、肉食の鳥類ではないのでディアトリマとの関連はないと考えられています。
仮に関連があると仮定して、進化した点で挙げられるのは、簡単には食べられないくらい大きく丈夫な卵を産むことができます。
くちばしの形だけでみると、オウムなども似ていますが身体の大きさや飛べる点などから考えると少し離れます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ディアトリマは、ファイナルファンタジーにも登場したことのあるようですが、実際に知らないですよね。
今回、いろいろディアトリマについて少しは知ることができたのではないでしょうか。
私たち人類も、彼らのような生物の進化から生まれているので、いろいろと知っておくと祖先のことがわかっていいかなと感じました。
(ライター:Teyo)