タコは海に生息する生物ですが魚とは違い見た目や性質も大きく異なります。
食材としても親しまれ多く流通している生物ですが、タコがどれくらい生きられるか、つまり寿命がどれくらいなのか知っていますでしょうか。
ここではタコの生態や変わった特徴、そして寿命についてまとめていきます。
タコの生態
タコは分類上軟体動物とされ、海洋における岩礁などに多く生息しています。
身体的な特徴として目立つポイントとして吸盤のついた8本の足でしょう。
1本1本に非常に多くの吸盤がついておりこれにより獲物をしっかりと捕獲することが可能になります。
また簡易なイラストなどの表現では頭部としてよく描かれる丸くて大きな部分は、実際には胴体部分であり本来の頭部は足の付け根部分付近にあるのです。
そのためタコは頭から足が生えた生物であり、このような生物をまとめて頭足類と分類されています。
こうしたタコと同じ構造を持っている頭足類の仲間には「イカ」や「オウムガイ」が含まれ、すでに絶滅している「アンモナイト」も頭足類の仲間です。
生態上、狭い場所に潜むことが多いですが、これはタコの柔軟な体だからこそ実現できるのです。
体の中で硬い部分は脳付近の軟骨とクチバシだけなので非常に狭く細い通路でも通り抜けることができるのです。
さらにタコは知能が高いことも知られています。
無脊椎動物の中では最も賢いとも言われていて、視覚的に認識した状況に応じた行動ができます。
よく取り上げられる例としては、エサを入れた瓶にフタをしても自分で開けることが出来るというものです。
エサが何かに入れられているということ、加えてその入れ物にはフタがされているということを理解し、フタを取れば良いのだと判断するのです。
保護色に変色することも有名な生態です。
背景となる地形の色に合わせて体の色を変えることで敵に見つかりにくくするのです。
しかし保護色も万能ではないため敵に出くわすことも珍しくありません。
その場合黒い墨を出すことで煙幕のようにし姿をくらますことができます。
この墨については、イカほど頻繁には噴出しないことも特徴的です。
それでも逃げることができず噛みつかれるというような、さらに危険な場合には自らの足を切り離すことができます。
その後足は再生をすることができますが、なんと、場合によってはその切り口から足が2本に分かれて生えてくることもあるのです。
驚くことにこうした枝分かれを繰り返すことで96本にまで足が増えたタコも見つかっています。
このタコは、志摩マリンランドに標本として展示されているようなので、興味のある方は是非見に行くと良いでしょう。
タコの寿命について
実はタコの寿命は短いです。
おおよそ1年から2年程度しか生きられないと言われています。
しかしタコの年齢を調べることは難しく、種によっては明確な寿命が把握されていないようです。
生殖には足を使います。
8本のうち1本は先端が生殖器になっているのです。
タコの産卵はその個体に対して生涯に一度であり、メスはその後死んでしまいます。
もともとタコ自体の寿命も短いため一度での産卵による卵の数は非常に多く、数十万個にも及びます。
当然これらすべてが無事に成長を遂げることができるわけではなく、多くは成長過程で敵に襲われ生き残ることはできません。
その他タコの豆知識
タコの足はほとんどが筋肉であるため強い力を生み出すことが可能で、吸盤による張り付きの力が加わり獲物の捕獲時に有効的となります。
またこれらの足8本によって大きな推進力を得て移動しますが、長距離を高速で移動し続けることはできません。
これはタコの血液が人間やその他の魚のようにヘモグロビンを含んでいるのではなく、酸素を運ぶ力の小さいヘモシアニンと呼ばれるものが含まれていることが由来しています。
タコは短寿命だか優れた性質を持っている生物
寿命が短く長くても2年ほどしか生きられない生き物だということがわかりました。
こうした性質を補うため産卵数が多いとされていますが、同時に知能の高さや軟体を活かした生き方をしていることも、生きながらえるための手段となっているのでしょう。
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