ホライモリとはヨーロッパの洞窟に棲んでいるイモリのこと。

古来にはドラゴンの赤ちゃんとの異名もついていたというホライモリの正体に迫ります!!

ホライモリの生態

ホライモリは一種でホライモリ科に分類されているイモリ。

ディナル・アルプス山脈のカルスト洞穴の固有種で、スロベニアからイタリアのトリエステに流れるソカ川流域からクロアチア南西部のボスニアヘルツェコニアに分布しています。

 

水温は5~12度ほどの低温を好みます。

体長は蛇のような形で20~30㎝、最大では40㎝のものも見つかっていて、世界最大の真洞窟性動物ともいえます。

 

一様に円筒系をしており、筋節の境界には一定の間隔で溝があります。

尾は短く、側扁し、薄いエラを持っています。

 

四肢は小さくて細く、肢の指は少ないのが特徴です。

全体的に薄いピンク色をしています。

 

幼体で成熟し、外エラがあるので、生涯水から出ることはありません。

眼は幼体では発達していますが、生態になるにつれなくなっていきますが、皮膚全体で光の有無を感じることが出来るようになっています。

これは皮膚細胞にメラノプシンという光受容体を持っている為だと考えられています。

 

聴覚と臭覚は、電気・機械受容器は発達していて、これらの間隔で様々なことを認識しています。

エサは水生昆虫や小型の甲殻類、貝類を食べます。

 

15歳ほどで性成熟し、繁殖期には70~80個ほどの卵を産みますが、産卵は10年に一度と言われています。

孵化するまでの間保護しますが、高水温など一定の条件下では卵ではなく、2頭のよく育った仔を生むという特異な生態を持っています。

ホライモリの寿命

ホライモリの寿命は平均すると70年と言われています。

最長では100年という記録があるのだとか。

 

これには効率的なエネルギーの節約が関係していると考えられています。

もともと、それほど抗酸化能力も高くなく、基礎代謝もそれほど高くないホライモリがどうしてここまで長生きなのかというのは研究者たちの間では不思議なことの一つだったようなのですが、意外にも効率的な生き方をしているということが分かったのです。

 

ホライモリはエサにありつけない時、代謝のレベルを落とし、活動レベルを最小限まで下げるということをしています。

それでもエサにありつけない場合は自分自身の組織を再吸収して飢餓を乗り切ることが出来るようになっていて、エサの少ない洞窟という環境に対応した体の仕組みになっていると考えられています。

 

実際に、ある実験では14年物間、エサを食べずに生存し続けたという記録が確認されているのだそうです。

ホライモリの飼育

ホライモリは日本の水族館では唯一、碧南海浜水族館で見ることが出来ます。

飼育下では明るい条件で飼育すると、徐々に体色が黒くなる傾向にあるようで、暗い状態に戻すと再び白やピンクの色に戻っていくという傾向も確認されています。

現在、ホライモリの生態を把握すべく、ヨーロッパのあちこちの洞窟でホライモリのオスが飼育されているのだそうです。

ホライモリはクロアチアの天然記念物

クロアチアではドラゴンは人々を守る守り神としてあがめられます。

ホライモリはドラゴンの子供と考えられ、ドラゴンベビーと呼ばれています。

研究が進むまでは洞穴の奥には大きなドラゴンが棲んでいると考えられていたそうです。

ホライモリのまとめ

ホライモリはディナル・アルプス山脈のカルスト洞穴の固有種で、スロベニアからイタリアのトリエステに流れるソカ川流域からクロアチア南西部のボスニアヘルツェコニアに分布している。

 

古来は、ドラゴンベビーと呼ばれ、ドラゴンの子供と考えられていた。

100年ほどの長寿で、その秘密は環境に合わせて代謝を調整する能力にある。

クロアチアの天然記念物に指定されている。

(ライター ナオ)