プラナリアは、扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目ウズムシ亜目に属する動物の総称。
体表にせん毛があり、このせん毛の運動によって渦ができることから、ウズムシとも呼ばれます。
当記事ではそんなプラナリアの飼育について紹介します。
プラナリアの野生下の生態
プラナリアは、ウズムシ目ウズムシ亜目に属する動物です。
腹面中央に咽頭があり、消化管は体内で前後に伸びて分岐しながら、体の隅々に至ります。
消化管は前に1本、後ろに2本伸びており、これが三岐腸目の名前の由来となっています。
肛門はありません。
脊髄もないかご状神経系を持ち、目は杯状眼であり、レンズはありません。
ただ、光を感じることはできます。
プラナリアは、いちじるしい再生能力を持つことから、再生研究のモデル生物として用いられています。
進化的には前口動物と後口動物の分岐点に位置し、脳をもつ動物としてもっとも原始的であることから、比較発生学・進化発生生物学でも用いられます。
雌雄同体であるその特性から、生殖生物学でも扱われます。
水質の変化に著しい影響を受けることから、指標生物でもあります。
ちなみに、プラナリアは、有性生殖と無性生殖ができます。
水質や水温などの生息環境が悪化すると、次第に腹部がくびれてきて2つに分裂します。
プラナリアの再生能力
プラナリアの再生能力はいちじるしく、ナミウズムシの場合は前後に3つに切れば、頭部からは腹部以降が、尾部側からは頭部が、中央の断片からは前部の切り口から頭部、後部の切り口から尾部が再生されます。
このような各部から残りの部分が正しい方向で再生されることを「極性がある」といいます。
具体的には、何らかの物質の濃度勾配ではないかとされています。
プラナリアは、頭に切れ込みを入れて3等分にすれば、3つの頭を持つプラナリアに再生します。
ある学者がメスを使いて100を超える断片になるまで切ったら、その全片が再生して100を超えるプラナリアが再生した――という逸話があります。
その真偽は定かではありませんが、しかし、プラナリアが再生できる栄養環境さえあれば可能であるとされています。
プラナリアの採集方法
プラナリアは日本中の川の上流に生息しており、石や枯葉などの裏に張りついています。
主にカゲロウの幼虫など水生昆虫をエサとしていますが、実は「生レバー」が好物です。
ヒモなどで吊るして川に沈めておくと、たくさんくっついてきます。
なお、プラナリアの体は柔らかく、ピンセットでつまむとちぎれることがあります。
採取の際は、気をつけてください。
ちなみに、プラナリアはアクアリウムでは害虫として嫌われています。
熱帯魚の専門店を訪れてみると、もしかしたら無料でもらえるかもしれません。
プラナリアの飼育に準備するもの
プラナリアの飼育に必要なものは以下の通りです。
シャーレ
プラナリアを飼うための容器です。密閉タイプのタッパーでもOKです。
筆
プラナリアを拾うのに使用します。なでるようにして拾ってください。
汲み置きの水
飼育水です。1日置いておけばOKです。
温度計
容器の温度を測るのに使用します。適温は20℃くらいです。
箱
飼育場所を暗くするのに使用します。箱をシャーレにかぶせて暗い空間を作ります。プラナリアは暗いところを好みます。
インキュベーター
シャーレの温度を一定に保ちます。20℃くらいが最適です。25℃以上になると死ぬ危険性が高まります。
温度管理と水の交換
プラナリアは、水温が25度程度ならなんとか耐えられるようですが、しかし、ここまで水温が高いとかなり危険な状態です。
これよりも水温が上昇すると、体が溶けてしまいます。
シャーレの水は週に1回換えます。2週間に1回だと、水質悪化で大量死する可能性が高まります。
プラナリアの餌について
プラナリアのエサは、鶏のレバーを少し切って与えます。
牛や豚のレバーでもOKです。生レバーが好物のようです。
プラナリアの寿命など
プラナリアには寿命がないようです。
ただし、水が汚れていると溶けてなくなってしまいます。
また、エサを食べた直後に切ると死んでしまいます。これは、自らの消化液にやられるからだそうです。
プラナリアのまとめ
以上、プラナリアの飼育についていかがでしたか?
そのかわいい瞳と再生能力で有名なプラナリアですが、実は生レバーが好物という、オッサンみたいな嗜好の持ち主です。
容易に入手できて、しかも気軽に飼育できますので、ぜひこれを機会に飼育してみてください。
(ライター ジュン)