時期になるとスーパーなどでも比較的安価な値段で見かけることの多いワタリガニ。

あのカニって本当に美味しいの?と思っている人はいませんか?

ワタリガニの生態

ワタリガニは生物学上ではガザミなどと呼ばれることもあるカニです。

体長は15㎝を超える大型のカニで、メスよりもオスの方が大きめです、

黄褐色で甲羅の後半部分と鋏や脚は青みがかかった白い水玉模様をしています。

これは一種の保護色になっていると言われていて、腹面側はほとんど白色で毛も模様もありません。

 

横長の六角形で前の方の縁にはギザギザの棘が並び、左右に大きな棘が突き出しています。

北海道から台湾にかけての波の穏やかな内湾の水深30mほどの所の砂泥底に生息しています。

 

サメやエイ、タコなどの大きな敵を見つけると泳ぎされいますが、普段は砂の中にもぐって目だけを出しています。

エサは海藻なども食べますが、肉食で小魚、ゴカイ、貝類、小動物等です。

 

オスとメスは夏から秋にかけて、脱皮後に交尾をしますが、すぐに産卵はせず、メスは体内にオスの精子を蓄えたまま冬眠に入ります。

冬眠から覚めた晩春に1㎜程の卵を産卵し、メスは2~3週間ほどお腹にその卵を抱えて過ごします。

 

メスは晩春と夏の2回出産し、ゾエアと言われる幼生は1か月の間、海中を浮遊します。

稚ガニになる頃には3㎝ほどに成長しますが、それまでの間に多くが捕食されます。

寿命は2~3年と言われています。

ワタリガニの名前の由来

ワタリガニは一体どこを渡ってくるのか?と思いますよね。

でも、実はどこかから渡ってくるわけではないのです。

 

ほとんどのカニは海底でじっとしていることが多く、ワタリガニも例にもれず…なのですが、一対の脚にだけヒレがついていて、他のカニに比べて泳ぐのが上手なのです。

捕食する時には泳いで移動し、このことからワタリガニの名前がついたと言われています。

ワタリガニの旬

ワタリガニは毛ガニなどと違って比較的安価に取引されることも多いカニですが、大きいものだと1万円以上するものもいます。

ワタリガニの主な産地は有明湾、伊勢湾、瀬戸内湾、三河湾等ですが、日本各地の湾で水揚げされています。

 

旬は秋から冬にかけて(5~11月)のメスが卵巣を持っている時期で、比較的猟期が長いのも特徴です。

滑らかで甘みの強い身が人気があり、内子の美味しさは格別で、ワタリガニのファンも沢山います。

 

茹でたり蒸したりして食べるのが一般的ですが、みそ汁にネギや大根などと一緒に入れるのもとっても美味。

茹でる時は活きたまま熱湯に入れてしまうとカニが熱さに耐えられず自切してバラバラになってしまうこともあるので、ゴムなどで手足を縛ったり、自ら茹でたり、急所をさしてから茹でたりします。

 

必ず自ら茹でましょう。

ゆで時間は大きさにもよりますが、沸騰してから10分程度。

蒸す場合は20分を目安にしてください。

 

100g以下のものは一匹200~400円程度でスーパーなどで売られています。

鮮度がいいものほど味が良いので、生きたままのものを買うのがお勧めです。

 

また、ワタリガニは高たんぱくで、低脂肪なので調子が悪い人にもおすすめの食材です。

近年は需要が高まり、中国や韓国、東南アジアなどから輸入しているのだとか。

ワタリガニのまとめ

ワタリガニは北海道から台湾にかけての内湾に生息している。

体長は15㎝を超えるものが多い。

 

一対の脚にヒレがついていることからワタリガニの名前が付けられた。

ワタリガニの旬はメスが卵巣を持つ秋から冬にかけて。

 

100g以下のものは200~400円程度でスーパーなどでも販売されている。

茹でる時はカニ自身が自切行為をしないように、縛ったり水から茹でたりするのが良い。

(ライター ナオ)