2017年、テレビのニュースではスズメバチの被害がすでに報告されています。
人気のいない山道を散歩途中に園児と先生が集団で襲われたというニュースでしたが、何もせず、ただ散歩していただけなのに、刺されてしまった園児と先生はたまったものではありません。
散歩した場所は普段、人通りのない場所でだったため、園児の足音や声がスズメバチにとって異常な刺激となり、興奮してしまったいうのが専門家の分析でした。
人気のない山道!?そういえば、このハチもそんな危険性をもったハチなのではないかと思い、調べてみました。
クロスズメバチの生態
クロスズメバチはスズメバチの中まで土の中に営巣するタイプのハチです。
体長は状バチが15㎜、働き蜂が10~12㎜、オスのハチが12~14㎜。
黒の胴体に白のラインが入っていて、スズメバチの中ではかなり小型の部類に入ります。
基本的に山の中にいるのですが、時折屋根裏や樹洞などにも巣を作ります。
生息域は北海道から奄美大島までの広い範囲。
関西地方では他のスズメバチより早い3月下旬から活動を始め、12月頃まで姿を見かける活動期間の長いハチでもあります。
巣の大きさは25~40㎝ほどにもなり、下部分が膨らんでいるのが特徴です。
巣段は8~12、巣房は8000~12000にもなり、一つの巣には800~1500匹ほどのクロスズメバチが生息していると考えられています。
小さいハチなので、エサはハエやアブ、小型の昆虫などです。
スズメバチと同様に針を持ち、刺すことはできるのですが、攻撃性はほとんどなく、毒性も非常に弱いと言われています。
思わず、巣を踏んでしまったり、働き蜂のいる周辺を歩いてびっくりさせたりした時に、反射的に働きバチに刺されるぐらいで、刺されたとしても大人はもちろん、子供でさえも、患部に何の変化もなかったという報告もあるほどです。
クロスズメバチに刺されたら
スズメバチに刺された時のように、痛みや腫れ、それ以上の症状が出ることは少なく、刺されても何ともない人も多いクロスズメバチ。
刺されたハチがはっきりとクロスズメバチとわかった時にはあわてる必要はありません。
しかし、念のためハチに刺された時の一通りの応急処置はしておきましょう。
まず、刺された患部を水で洗い流す。
これは、毒性のある成分を肌に残さないための作業です。
その後、患部をつまむなどして体内に残っている毒成分を絞り出す。
口を使って吸うのは、口に傷などがある場合はかえって危険になるので、あくまで手や器具を使って絞り出してください。
次は保冷材や冷却スプレーなどで患部を冷やします。
血流を抑えることで残った毒成分が必要以上に体に回らないようにするためです。
最後は薬を塗って完了。
これは、あくまでクロスズメバチのような毒性の低いハチやブヨ、蚊などに刺された時の応急処置で、相手がスズメバチなど毒性の強いものの時は患部を冷やしながらすぐに病院へ行きましょう。
アナフィラキシーショックなどの恐れがあるので、あくまで平常心を保ちながら、静かに急いで!!
また、クロスズメバチに刺されても、患部や体調に変化がある人は病院を受診することをオススメします。
クロスズメバチのまとめ
クロスズメバチは北海道から奄美大島まで広い範囲に分布している。
山の中の地面に巣をつくることが多いが、まれに天井裏や樹洞などに作ることもある。
関西地域において、クロスズメバチの活動時期は早くて長く、3~12月までと言われている。
攻撃性はほとんどなく、人を攻撃することも少ない。
毒性もほとんどない。
刺された時には虫刺されの時の対処方法と同じく、患部を水で流し、残った毒を絞り出し、冷やして薬を塗る。
体長に変化があるときは病院を受診する。
(ライター ナオ)