クジラと聞くと、皆さんはどんなクジラを思い浮かべるのでしょうか。

実はクジラと一言に言っても80種類ほどのクジラが存在しているのです。

今回はその中のナガスクジラについてのお話です。

ナガスクジラの生態

ナガスクジラは極地を除く世界中の海に分布しているクジラです。

熱帯地域には少なく、北太平洋・北大西洋と南半球のナガスクジラは地域的に隔離されています。

体長は20~26m、体重は30~80tほどあり、最大と言われるシロナガスクジラの次に大きなクジラです。

スマートで細身な体つきで、体色は背面が濃いグレー、茶系の黒色で腹部は白くなっています。

 

腹部から続く白色が顎の右側まで入っていて、左右非対称になっています。

クジラヒゲも右側の前方だけ白くなっています。

 

背ビレは小さく鎌のようになっていて、概ね尖っているのですが、中には丸くなっている個体もいるようです。

単独、もしくは数頭の群れで行動し、一年の3分の1の期間は極地捕食をします。

 

海中を高速ど泳ぎ、泳ぎながら採餌をする突進採餌という方法をとります。

主にプランクトンや小魚をこしとって摂食しています。

 

繁殖形態は胎生で、冬に交尾をし11~12か月の妊娠期間を経て一回の出産で1頭の幼獣を産みます。

授乳期間は6~12か月で寿命は100年ほど。

人間とナガスクジラの関わり

クジラというと絶滅危惧種に指定されているイメージが強いのですが、実はナガスクジラやミンククジラ、マッコウクジラ、イワシクジラなどは個体数が少ないわけではありません。

 

中でもミンククジラはその数が年々増えているのだとか。

そのため、ミンククジラやナガスクジラは調査目的で捕獲され、肉は食用として出回っています。

 

日本が年間に許されている捕獲量はミンククジラが850頭、ナガスクジラが50頭ほどです。

ワシントン条約で禁止されている捕鯨なのですが、日本やアイスランドは「留保」の立場をとっている為、特にアイスランドでは積極的な捕鯨が行われているようです。

 

回転寿司などでクジラ肉の寿司が回っているのを見たことがありませんか?

あれはほとんどがミンククジラの肉なのですが、時折ナガスクジラの肉も回っていたりします。

 

あの肉の大半はアイスランドからの輸入で、日本はアイスランドから年間で1000tものナガスクジラの肉を輸入しているのだそうです。

アイスランドでは捕獲したほとんどのナガスクジラを日本に輸出しているのだとか・・。

しかし、日本の衛生基準が厳しすぎるため、昨年、アイスランドはナガスクジラの捕鯨や日本への輸出をストップすると発表したのだとか。

日本の水族館には!?

ナガスクジラのような巨大なクジラは日本の水族館では見ることが出来ません。

水族館で見ることが出来るクジラはゴンドウクジラと言われる種類で、体長が4~6mほどのもの。

1936年には阪神水族館で初の展示をし、話題になりました。

 

簡単な芸などもするようになり、クジラの飼育としては世界でも最も初期の部類に入ると言われています。

現在、ゴビレゴンドウ、ハナゴンドウ、オキゴンドウ等が八景島シーパラダイスや鴨川シーワールド、くじらの博物館、美ら海水族館などで見ることが出来ます。

ナガスクジラのまとめ

ナガスクジラはシロナガスクジラに次いで2番目に大きな哺乳類。

極地を除く世界中の海に棲息している。

 

日本でも研究用としての捕獲が認められており、サンプルをとった後は食用として出回っている。

アイスランドでは捕鯨会社が大量のナガスクジラを捕獲し日本に輸出していたが、近年クジラ肉に関する日本の衛生基準が厳しすぎるということで、捕獲・輸出をやめると発表した。

ナガスクジラは日本の水族館では展示されていない。

(ライター ナオ)