水族館のイルカショーに登場するイルカ。

一度は見たことがある人も多いのではないでしょうか?

あのイルカたちの中の一種類が、今回ご紹介するカマイルカなんです!

カマイルカの生態

カマイルカはクジラ目ハクジラ亜目マイルカ科カマイルカ属に分類され、太平洋の北半の寒帯から温帯にかけての弧状の海域に棲息しています。

カリフォルニア付近に棲息しているカマイルカは季節によって北上することが知られ、季節的な回遊を行っているようです。

日本ではイワシの沢山いる陸奥湾に多くみられます。

海岸から離れた深い海域にいることが多く、90頭ぐらいの群れで行動しているのが普通ですが、3000頭ほどの群れが確認されたこともあるそうです。

 

また、他のイルカと群れを成すことも知られています。

時速55㎞で泳ぐことが出来ます。

 

体長はオスが2.5m、200kg、メスは2.3mで150kg。

白と黒と灰色の3色で顎と喉、腹はクリームのかかった白色をしています。

 

口と胸ビレと背中、背ビレ、尾びれは黒、側面と眼の上から背ビレの下にかけては明るい灰色をして、眼の周囲は濃い灰色です。

オスは5~6年で性成熟しますが、メスは8~10年かかると言われています。一夫多妻で夏から秋にかけて繁殖し、妊娠期間は1年。一回の出産で一匹のイルカを産みます。

寿命は20年ほどですが、中には40年生きた例もあるようです。

 

食性はイワシやタラ、アンチョビ、サケなどの魚やイカ等。

同じ種類ではないかと言われていたハラジロカマイルカはチリやアルゼンチン、ナミビア、南アフリカ、ニュージーランド等に棲息していますが、近年は遺伝子解析により2種は200年前にそれぞれの種として分化したものと考えられています。

カマイルカの名前の由来

カマイルカのカマは鎌で、背ビレに鎌のような形をした背ビレがついていることから名づけられました。

湾曲し、先端のとがった背ビレはまさしく鎌そのもの。

カマイルカと人間のかかわり

カマイルカは行動的なイルカで、しばしば人間の乗るボートなどに近づいてきます。

また、度々漁網に間違ってかかってくることもあり、それらの個体は水族館などで飼育されます。

 

1993年に国連が特定の漁網の使用を禁止してからは混獲は減りましたが、日本では多くの水族館でカマイルカがショーで活躍しています。

一般的に人工下での繁殖は難しいと言われているカマイルカですが、海遊館や鴨川シーワールド、名古屋港水族館などでは繁殖に成功しています。

 

カマイルカのイルカショーは北海道登別のマリンパークや千葉県の鴨川シーワールド、東京はエプソン品川アクアスタジアムで見ることができ、その他にも城崎マリンワールドや伊豆三津シーパラダイスなど多くの水族館で見ることが出来ます。

 

カマイルカはバンドウイルカよりも小型で、しかも高くジャンプすることが出来るので、空中に跳び上がる姿はまるで飛んでいるかのように見え、見ごたえがあります。

石川県の能登町にある真脇遺跡からは大量のイルカの骨が出土されました。

 

そのうちの50%以上がカマイルカの骨だったらしく、かつてこの土地でイルカ漁が行われ、食用にされていたことを伺わせます。

イルカは追い込み漁によって捕獲されていたようです。

カマイルカの生息数

カマイルカは先述したように、ボートなどに近づいてくる習性があり、正確な個体の把握が難しいと言われているようですが、推定で100万頭ほどではないかと言われています。

カマイルカのまとめ

カマイルカは背びれが鎌のようになっていることから名づけられた。

カマイルカは北太平洋に弧状に棲息しており、地域によっては回遊している。

水族館ではイルカショーなどで活躍し、日本では人工繁殖にも成功している。

カマイルカの肉は食用として食べられることもある。

(ライター ナオ)