ヒトデと言えば海のお星さま。
裏側はちょっと気持ち悪いですが、普通に見ているととても可愛くて綺麗ですよね。
しかし、そんなヒトデの中にも、普通にしているだけで気持ち悪いやつがいるんです。
それが「クモヒトデ」。
今回はクモヒトデについて、詳しく見ていきたいと思います。
クモヒトデってどんなヒトデ?
クモヒトデは、ヒトデとは近縁な関係にあるものの、ヒトデとは別の生き物です。
1500以上の種類がおり、極地から熱帯に至るまですべての海域に分布しています。
基本的には人が見つけられるような浅瀬にいることは少なく、多くの種は500m以上の深海に生息。
やはり深海の生き物というのは、見た目が気持ち悪くなるものなんでしょうか?
クモヒトデ最大の特徴は長くひょろひょろと伸びた腕。
種類によっては腕の長さが60cmになるものも。
ヒトデというよりはまるでタコのようですね。
普通のヒトデと違って体の大部分が腕で構成されているため、ヒトデが体の裏側にある管足という細かなヒダヒダを動かして移動するのに対し、クモヒトデは腕自体をしならせることによって移動します。
これが気持ち悪い動きの正体だったんですね。
名前の由来は詳しくは調べても出てきませんでしたが、きっとウネウネと動く長い足がクモに似ていたからその名前が付いたのだと思います。
クモヒトデは腐肉やデトリタス(プランクトンの死骸などの有機物の事)を主な餌としています。
他にも、小さな甲殻類などを捕食することも。
また、危険を感じるとトカゲのしっぽのように腕を自切することがあり、切れた腕を急速に再生することもできます。
普通のヒトデは腕を含む全身に内臓が配置されていますが、クモヒトデは腕と盤(真ん中のところ)が明確に分かれていて、内臓は全て盤に集約されているため、このような芸当ができるのです。
しかし、クモヒトデの体はもろく崩れやすいため、研究のために解剖をしたりレントゲンを撮ったりするのも一苦労なんだとか。
英語では「BrittleStar(もろい星型)」と呼ばれているように、化石すらももろくバラバラになりやすいと言われています。
よくそんなもろい体で生きていけるなーと逆に感心してしまいますね。
釣りをしていてクモヒトデがかかると、釣り上げて針を外すまでの間に腕がポロポロ切れて(切って?)死んでしまうこともあるそうです。
さすがに腕が全部切れてしまうと、再生は難しいようですね…。
家でも飼育できる?
クモヒトデは、家で飼育することも可能です。
あの見た目の気持ち悪さが、逆に可愛いと思える人は、飼育に挑戦してみてはいかがでしょう。
通信販売や熱帯魚や海水魚専門のショップなどで、1000円前後で売られています。
有機物を食べるので、他の魚と一緒の水槽に入れて掃除役としても活躍してくれますよ。
ただし、小さな魚、貝やエビなどは食べてしまう場合があるので、気を付けましょう。
数字だけでみると大きなイメージがありますが、実際に長いのはヒョロヒョロの腕だけなので圧迫感はありません。
それほど大きくない水槽でも十分に飼育することができます。
基本的な飼育設備や飼育方法は、海水魚を飼う場合と同じです。
体がもろいので取り扱いには十分注意しましょう。
雑に扱うと腕を自切してしまうこともあります。
クモヒトデについてのまとめ
見た目や動きがとても気持ち悪いクモヒトデですが、小さい個体なんかだとちょっとかわいく思えてくるかもしれません。
大きくなっても1cmという超ミニサイズの種類もいるようです。
さすがに腕の長さが60cmにもなるクモヒトデだと「かわいい!」という感じではなくなりますが、このサイズなら飼ってみたい気もしますね。
興味がある人や、海で偶然見つけたという人は、飼育してみてはいかがですか?
(ライター もんぷち)