みなさんは「コククジラ」というクジラを知っていますか?

別名「コクジラ」や「チゴクジラ」などと呼ばれているクジラです。。

 

その名の通り、クジラの中では比較的小さな種類になります。

現在ではとても珍しいこのクジラ。

一体コククジラはどんなクジラなのか、生態などについて詳しくまとめてみたいと思います。

コククジラってどんなクジラ?

コククジラは北太平洋に生息しているクジラです。

かつては北大西洋にも生息していましたが、乱獲などの影響で絶滅し、現在では北太平洋に2つの系統群が存在するのみになりました。

 

アジア側の沿岸を回遊する西の系統、そして北米側の沿岸を回遊する東の系統です。

西系統のものは春と秋の回遊時に日本の太平洋沿岸を通過します。

 

回遊距離は2万kmとも言われており、これは現生哺乳類の年間回遊距離としては最長。

体長は11m~15m、体重は最大で約35t以上。

 

クジラの中では小さいとは言え、人間や他の哺乳類に比べると群を抜いて大きいですね。

人間なんて一飲みされてしまいそうなサイズです。

 

コククジラはヒゲクジラの仲間なので、人間を食べるということはないから安心ですがね。

しかしコククジラの食性はちょっと変わっていて、他のヒゲクジラ類が海水からヒゲでプランクトンを漉しとって食べるのに対し、コククジラは海底の砂や泥からカニなどの低生生物を漉しとって食べるのです。

 

そのため、コククジラの髭は他のヒゲクジラ類よりも髭が硬く短いのが特徴。

体色は灰色ですが、年を重ねるごとに全身にフジツボやクジラジラミなどが付着し、白いまだら模様になります。

 

寿命は50年~60年なので、寿命を全うする頃にはかなりの数のフジツボなどに覆われていそうですね。

天敵はシャチで、幼体の頃は体長4m程とシャチよりも小さいため、標的にされることがあります。

 

しかし生態になるとシャチよりもかなり大きいので、さすがのシャチも手が出せなくなるようです。

人間に対してはあまり警戒心もないようで、ホエールウォッチングの際はボートに寄ってきて触らせてくれることもあるんだとか。

クジラに触れる機会なんて、普通なら一生に一度あるかないかなので、とても貴重ですね!

絶滅寸前のコククジラ

かつては北半球全域に生息していたとされるコククジラも、現在では北太平洋に生息するのみ。

なぜこんなにも数が減ってしまったのでしょうか。

それは人間による乱獲。

 

コククジラは沿岸性でクジラの中では小さめだったということもあり、昔から捕鯨の対象とされてきました。

そのせいで北大西洋の個体群は絶滅、北太平洋においても数が激減したのです。

 

北米を回遊する系統は捕鯨禁止が功を奏し、徐々に個体数が回復していっているようですが、アジア側を回遊する系統は残存数わずか100頭から150頭あまりと今もかなり危機的状況にあります。

 

このアジア系の個体群は日本の捕鯨によって壊滅したとも言われており、日本人としては責任を感じてしまいますね。

クジラは一度も食べたことがないですが…。

今や日本近海では数年に一度見られるか見られないかというほどの、幻のクジラとなってしまっています。

コククジラについてのまとめ

諸外国が日本の捕鯨に対して反対運動などをしていますよね。

なぜクジラだけ特別扱いなんだと思っていましたが、コククジラのように捕鯨のせいで絶滅の危機に瀕しているものがいるというのを知ると、ちょっと複雑な気分になります。

 

クジラは陸上の哺乳類のように飼育して繁殖させたりなんかはできないので、このまま自然に数が増えていくのを待つしかないというのが歯がゆいですね。

いつか日本近海でもコククジラが普通に見られるようになる日がきたらいいなと思います。

(ライター もんぷち)