マグロと言えば現在では寿司のネタとしての利用が一番に思いつく生き物だと思います。
他に一般的な印象としては、大きな魚であることやものによっては数百万円といった非常に高値で買われるものがいること、そして高速で泳ぎ続けている魚だということなどが考えられます。
実際マグロは泳ぎ続けていると言われていますが、なぜなのでしょうか。またその食性や人間との関係も説明していきます。
マグロの生態
マグロにはクロマグロやカジキマグロなどいくつかの種類が存在しますが、一般的に「マグロ」と呼ばれるときにはクロマグロを指すことが多いです。
その「マグロ」という名前は昔、目が黒く大きいことから呼ばれるようになったという説や、常温にさらしておくと身が黒くなってしまうことからそう呼ばれるようになったという説などがあります。
マグロの全長は1m以下のものから3mにまで成長するものなど様々ですが、その生息域は広く世界中を回遊し主に暖かい海域に分布しています。
何を食べている?
マグロの食性は肉食でありサンマなどの中型の魚やタコやイカ、そして甲殻類まで食べています。
マグロは体の大きさも平均して大型の魚類であることなどから、海中における食物連鎖の比較的上の立場となっています。
しかし、上の立場であるが故に自身が捕食されることが少なく、生きている間に食してきた物質を多く抱え込んでいます。
どういうことかと言うと、小型魚類が海中に含まれる有害物質を体内に入れてしまったとしても自分が摂取した分だけで言うとたいした量ではありませんが、その小型魚類を食す中型魚類は食べた分の小型魚類が持っていた有害物質を集めることになります。
そしてマグロという大型魚類はその中型魚類をも食べるため小さな魚に比べるとその含有量が多いのです。
人間にとって害はある?
マグロは肉食ですが人間を襲うという意思はなく基本的に無害です。
しかし見方を変えると、有害物質を含みやすいマグロは食べすぎると多少害があるのかもしれません。
地球には地殻に水銀が多く含まれており、海中の大型魚類には蓄積されやすいのです。
そのためマグロを極端に大量摂取すると人間の体に水銀を入れることに繋がるのです。
実際はごく少量であるためそれほど気にすることはありませんが知っておくと良いでしょう。
それにマグロは寿司ネタに使われるほど美味で、部位によって赤身や中トロ、大トロがありそれぞれ違った味わいができます。
マグロは昔から日本でも親しまれていましたが、保存技術が現代ほど優れていなかった時代には味が落ちてしまっていたことから庶民の食べ物として扱われていました。
しかし江戸時代にもなると保存方法にも工夫がなされ、よりおいしく食べられるようになり価値も上がっていきました。
マグロはなぜ泳ぎ続けるのか
マグロは非常に高速で海中を泳ぎ続けています。
平均で時速10キロほどと言われ、最高速度は時速80キロにもなります。
うろこが少なく、体の形も速く泳げるような形状をしており高速での遊泳を生まれながらにして可能としているのです。
さらに血管の構造は奇網と呼ばれる特別なものであり、結果として体の熱が放出されてしまうのを防止することになっています。
このことによって高速遊泳するための運動機能を保持しています。
そんなマグロは止まることなく世界中を泳ぎ続けています。
これはいったいなぜなのでしょうか。実は泳ぎながら常に口を開けており、これによって呼吸をしているからなのです。
口を開けて海水を大量に取り入れエラまで通過するときに酸素を摂取しています。
そのため睡眠中も泳いでおり、速度は落ちるものの同時に代謝を下げてバランスをとっています。
マグロが泳ぎ続ける理由は呼吸のためだった!
マグロは泳ぎ続けることで呼吸をしているため止まってしまうと酸素が取り入れられなくなり死んでしまいます。
このためマグロは生まれたときから止まることの許されない使命を与えられている魚なのです。
ライター yuki_1