イルカといえば、水族館のショーなどでおなじみの愛くるしい目をした賢い海の生き物というイメージですが、世界には淡水で生活するカワイルカと呼ばれるイルカもいます。
その中のひとつ「アマゾンカワイルカ」はアマゾン流域に生息していて、特徴的なピンク色の体をしていることから、「ピンクカワイルカ」と呼ばれることもあります。
ピンクで可愛いアマゾンカワイルカについて紹介します。
アマゾンカワイルカの特徴は?
特徴的な明るいピンク色がかわいらしいアマゾンカワイルカですが、ほかにも暗い茶色、灰色、クリーム色など体の色は様々です。
3500万年前のクジラと同じ特徴を持っていて、“生きた化石”とも呼ばれています。
大人のオスは平均体長2.8m、体重150kg程になり、5種類いるカワイルカの中では最大種です。
アマゾン川の固有種で、上流から下流まで広範囲に生息しています。
通常2頭で行動し、3頭以上で行動することはめったにありません。
でも、まれに20頭ほどの大群になることもあります。
2頭が基本というのが、イルカ同士の仲の良さを感じて、ほっこりしますね。
普通のイルカとの違い
アマゾンカワイルカは、私たちがよく目にする普通のイルカとの違いが結構あります。
特徴的なものはこちらです。
口
細長いくちばしのような口です。
ピンセットのように川底に生息するカニや小魚をつまんで食べます。
一緒にくわえてしまった泥は振り落として、エサだけを飲み込むことができる便利な口です。
首
柔軟性があり90度傾けることも可能だそうです。 海とは違う、狭い川の中をクネクネと泳ぐのに適しています。ちなみに体も柔らかいです。
目
とっても小さく、ほとんど「点」です。濁った川に生息しているので、視力の代わりに頭からでる超音波でエサや障害物を見つけます。
色
ピンクが有名ですが、これは皮膚が白っぽい個体が、泳いだ後などに血流が良くなりピンクに見えるのだそうです。ほかにもグレーやクリーム色をしたアマゾンカワイルカもいます。
ヒレ
あまり使わない背びれは退化していて、代わりに胸ビレが大きくなっています。
メスへのアピール
アマゾンカワイルカの求愛行動はちょっと変わっています。
繁殖期になるとオスたちは、枝や水草をくわえて、水面を叩いたり、くるくる回ったりしてメスにアピールします。
道具を使ってアピールするというのは、哺乳類でもとても珍しい行動です。
オス同士の激しいケンカもあり、オスは体中傷だらけになることもあるとか。
アマゾンカワイルカのピンチ!!絶滅の危機
アマゾンカワイルカに限らず、カワイルカ類は現在、絶滅の危機に瀕しています。
川の汚染や、自然の開発などで住処を追われているカワイルカがたくさんいます。
それでもアマゾンカワイルカは、まだ数万頭は生息しているようです。
カワイルカたちが安心して生息できる環境を残してあげたいですね。
アマゾンカワイルカの不思議な言い伝え
人懐っこくて、とってもかわいいアマゾンカワイルカですが、生息する地域では、驚きの言い伝えがあるそうです。
オスのイルカは夜なると、イケメンに姿を変えて、人間の女性に近づいては、妊娠させて川へ帰っていき、同様に、メスも美女に変身して、男性をたぶらかし、腑抜けにして川に帰っていくそうです。本当だったら大迷惑な言い伝えです。
また、アマゾンカワイルカの目を見ると、一生悪夢を見続けるという言い伝えも。
これら言い伝えのおかげで現地の人の中にはアマゾンカワイルカに対して、いい印象を持ってない人もいるのだとか。
かわいらしいピンクの色とは裏腹の残念な言い伝えですね。
まとめ
とっても可愛いアマゾンカワイルカですが、海のイルカとはいろいろと違いがあるんですね。
そして意外と現地のイメージは悪かったというがっかりな事実も・・・。
人懐っこいアマゾンカワイルカにぜひ会いたいという人は、アマゾンカワイルカを見に行くツアーもあるので、旅の目的にするのもいいですね。
アマゾンカワイルカの魅力がたくさんの人に伝われば、アマゾンカワイルカの住む環境保全も進むはずです。
ライター:さくら